GAFA対抗「日本型スマートシティ」に勝算あるか

人口増加を見込む「世界の都市」へ売り込む作戦

村上氏は「スーパーシティにおけるデータ連携基盤も中世欧州の休耕地の役割に近い。ただし、令和の三圃制では、休耕地を休ませるだけでなく、そこに投資できる環境整備が重要だ」と力説する。特定事業者が構築したスマートシティのデータ連携基盤に、他の参加企業がタダ乗りするのでは再投資が行われず、都市の生産性が低下してしまうからだ。

現時点では、スマートシティのためのデータ連携基盤を構築しても、基盤上で提供されるサービスでどれぐらいの収益が得られるのか、どのような事業者がデータ連携基盤を利用するのか、などの見通しがまったく立たない。結局、誰も思い切った投資に踏み切れない。

その結果、強引にスマートシティを作り、サービスを使わせてしまう中国を除いて、どの国でも、スマートシティの基盤整備の事業化には苦戦しているという。補助金頼みだった日本のスマートシティ政策も同様で、補助金などの財源がなくなると停滞を繰り返してきた。

ただ、欧州では低炭素社会の実現を、国や地方自治体の責任として取り組むというコンセンサスが形成されてきた。北欧では1990年代から炭素税が導入され、スマートシティも行政の責任として取り組みが進んできた。

その結果、IBMや通信機器メーカーのシスコ・システムズ、アメリカからアイルランドに本社を移した世界的なコンサルティング会社のアクセンチュアなどが、地方自治体と協力してスマートシティのプロジェクトを立ち上げ、データ連携基盤の整備が進められてきたわけだ。

GAFAや中国へ対抗するには

日本では、中国のような強引なやり方でスマートシティの開発を進めることは不可能だろう。個人情報保護への対策も当然、必要になる。そこで考え出したのが、国家戦略特区制度を使って、日本独自のデータ連携基盤を構築しようという「スーパーシティ構想」である。

中国やGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)が指向しているのは、すべての情報を集約・統合することで便利で効率的なサービスを提供する手法だ。

しかし、情報の一元管理は、セキュリティや個人情報保護の観点からもリスクが高い。それを回避するためにはサービスを提供する時だけ、必要な情報を必要なときだけ連携・共有する、いわゆる「分散型アプローチ(Federated Approach)」を試してみようという結論となった。

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