GAFA対抗「日本型スマートシティ」に勝算あるか

人口増加を見込む「世界の都市」へ売り込む作戦

都市OSと聞くと、一般的にはパソコンやスマートフォンに搭載されているマイクロソフトのWindows、アップルのiOS、グーグルのAndroid OSなどを連想するかもしれない。村上氏も「あまり都市OSという言葉は使いたくない」と漏らすが、特定のOSが市場全体を独占してしまうようなイメージを持ってほしくないからだろう。

都市OSは「データ連携」「データ(マネジメント)」「機能(認証・サービス連携)」の3層構造となっており、異なる都市OSを連携する機能も装備している。

「現時点では、リファレンス・アーキテクチャに準拠した都市OSを製品としてリリースした企業は1社もない」(アクセンチュア福島イノベーションセンター長・中村彰二朗氏)

そのためイメージしにくいが、都市の特性に合わせてデータ連携基盤とデータ層はA社製品、機能層はB社製品……と組み合わせて使用するケースも想定される。

日本発のスマートシティを世界へ

今後のスケジュールは、2021年3月にはスーパーシティの国家戦略特区を選定するとともに、データ連携基盤のα版をリリースし、APIのカタログを用意する。2021年度にはβ版に進化させ、選定された特区で、それを参照した実装・開発を進める。

そこで磨かれた技術は日本各地のスマートシティへと展開する。すでに政府は「リファレンス・アーキテクチャ」に準拠した都市OSを導入する地方自治体などには財政支援する方針を固めているようだ。

さらには、日本発のスマートシティのプラットフォームを世界の都市へ売り込んでいく作戦だ。

「インドネシアのジャカルタ市や、フィリピンのマニラ市などは人口が増えすぎて、既存市街地の再開発では対応できず、新たな都市を開発することが検討されている。そうした新たな都市のインフラ作りは、政情の安定したアフリカ諸国でも大々的に始まるだろう。これから、膨大な都市インフラ産業、都市のDXを進める都市IT産業が立ち上がる。急激に人口減少が進む日本では、こうした需要は限られる。日本企業はスーパーシティで培ったプラットフォームを武器に、積極的に海外に進出していくしかない」(村上氏)

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