GAFA対抗「日本型スマートシティ」に勝算あるか

人口増加を見込む「世界の都市」へ売り込む作戦

分散型アプローチは、中国だけでなく、GAFAに対するアンチテーゼでもある。最近ではグーグル、フェイスブック、ツイッターなどのアカウントから利用できるサービスが増えているが、その先で儲けるのはデータの一元管理を進めるプラットフォーマーだけ。

今さら日本が、個人情報も含めてデータを一元管理できる重厚なプラットフォームを目指しても、GAFAや中国に勝てる見込みは薄い。

逆にデータ連携基盤は極力、軽くする。それ自体ではあまり儲からない代わりに、その上で自由に展開するサービスで利益を上げてもらう。そのためにもさまざまなサービスが移植しやすいオープンAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)のカタログを用意したうえで、軽くて丈夫なデータ連携基盤を普及させていく必要がある。

内閣府からは今月初めにオープンAPIの調達が行われた。来春には試作版が用意されて、スーパーシティに選定された都市に実装される見通しだ。

日本型モデルを普及させられるか

はたしてスーパーシティ実現に向けて、日本独自のデータ連携基盤を構築することは可能なのか。過去に日本でもITプラットフォームの構築に何度も挑戦してきたが、失敗の歴史を繰り返してきた。

村上氏自身も、2000年代の半ばに導入を試みた開発手法「エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)」による電子政府・電子自治体システムの構築では、手数がかかりすぎるという理由でEAが普及せず、辛酸を舐めた。それだけに、その反省を生かしつつ「リベンジマッチとして取り組んでいる」との意気込みを見せる。

データ連携基盤には、データを変換する機能を備えたクラウドサービスが必要となるが、EUで開発されたオープンソースの次世代インターネット「FIWARE(ファイウエア)」がある。FIWAREが追求しているのも、どちらかと言えば分散型アプローチに近い。「FIWAREだけを優遇するつもりもないが、そのデータ仲介の考え方は、大いに参考になる」(村上氏)という。

こうしたFIWAREなどの動向も参考にしながら、日本のスマートシティ全体の共通する枠組みを示したのが、2020年春に内閣府から公開された「リファレンス・アーキテクチャ」だ。これに準拠して「都市OS(オペレーティングシステム)」を開発し、地方自治体や地域が導入して、その上で実際のサービスを提供する仕組みとなる。

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