最高クラスの年金がもらえる月給は幾ら以上か 9月から高給取りの人は年金負担額がジワリ増

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標準報酬月額の決定・改定方法には、定時決定(毎年4、5、6月の報酬の平均を基に行われる決定)、随時改定(昇給・降給等で大幅に報酬が変わった際の改定)、資格取得時決定(入社時の報酬の月額を基にした決定)、育児休業等終了時改定、産前産後休業終了時改定といった方法がありますが、報酬の月額(給与)に応じて決まる標準報酬月額は、2020年9月以降、1~32等級に区分されています。

実際に受けた報酬の月額を基に、8万8000円(1等級)~65万円(32等級)の等級に当てはめることになり、例えば、報酬の月額が23万円以上25万円未満の場合は、標準報酬月額は16等級の24万円になり、この24万円に保険料率を掛けて保険料を算出します。

標準報酬月額や標準賞与額に掛ける、その厚生年金保険料率は18.3%(会社員等の第1号厚生年金被保険者の2017年9月以降の率)で、会社と被保険者が半分ずつの負担となりますので、被保険者自身は9.15%分を負担することになります。標準報酬月額の等級が上がればその分保険料も高くなる仕組みです。

2020年9月に新設された「32等級・65万円」

この標準報酬月額について、2020年8月以前は8万8000円(1等級)~62万円(31等級)まででした。上限が31等級・62万円で、報酬の月額が60万5000円以上の人の標準報酬月額は31等級・62万円となり、62万円に保険料率を掛けることになります。しかし2020年9月より31等級の上の等級として、32等級・65万円が設けられることになりました。そのため、報酬の月額が60万5000円以上63万5000円未満の場合はこれまでどおり31等級・62万円ですが、63万5000円以上の場合は新しい等級である32等級・65万円になります(図表①参照)。

報酬の月額が63万5000円以上の人は、8月分までは62万円×9.15%の5万6730円の保険料が給与から控除されましたが、9月分からは65万円に9.15%を掛けることになったため、負担する保険料は5万9475円になります。1月当たり2745円保険料が増えることになります。また、会社と被保険者半分ずつ保険料を負担するため、会社としても標準報酬月額65万円の人1人当たり月額2745円の負担が増えることになります。

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