最高クラスの年金がもらえる月給は幾ら以上か 9月から高給取りの人は年金負担額がジワリ増

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これまでは報酬の月額が63万円の人も64万円の人も、同じ標準報酬月額62万円で同じ保険料でしたが、これからはそれぞれ標準報酬月額が62万円と65万円になるため、保険料額だけでなく、将来の年金受給額にも差が出ることになります。

さきほどの例の1万8671円という額を、1年当たりで見るとそこまで大きな差ではないと感じるかもしれませんが、老齢の年金は受け始めてから一生涯受給できることになっています。65歳から受け始め、85歳で亡くなるまでの20年間受けたとすると、累計額での差は37万円以上になります。標準報酬月額65万円の加入期間がさらに長くなっていれば、受給累計額もさらに大きな差が生じることでしょう。

もちろん受給できる年金額というのは毎年度改定され、年度ごとに少しずつ変動がありますが、標準報酬月額が62万円のままだった場合と比較して、65万円に上がった場合のほうが受給額で多くなることに変わりはありません。

保険料が増えると障害・遺族年金でも有利に

厚生年金保険制度の年金は高齢期の老齢厚生年金だけではありません。病気やケガが原因で障害が残った場合に現役世代でも受けられる障害厚生年金や、自身が死亡した際にその一定の遺族が受けられる遺族厚生年金もあり、いずれも報酬比例の年金となっています。

図表②の老齢厚生年金の報酬比例部分とは一部計算方法が異なる部分もありますが、ほぼ同じような計算方法で計算し、報酬の平均額が高いほど、年金額も高く計算される仕組みです。

高給なために、保険料負担として月額2745円増えることになると、増えた保険料により負担を感じるかもしれません。しかし、現状それだけ高い給与を受けられているということ、また報酬比例の年金であることを考えると、いざ実際に年金を受給する際に、低い報酬、保険料だった場合よりは受給額も多く、その分、ほんの少しですが安心できることにもなるでしょう。

井内 義典 ファイナンシャル・プランナー

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いのうち よしのり / Yoshinori Inouchi

株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。FP、特定社会保険労務士。公的年金が専門で、これまで3000件を超える年金相談業務を経験し、地方自治体職員、年金事務担当者、ファイナンシャル・プランナー向けの年金研修・セミナーで講師も務めている。また、年金、社会保険に関して、専門誌、インターネット等での執筆や、書籍の監修も行ってきており、執筆数については合計で約200本に上る。「FP相談ねっと」認定FP、神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合組合員、日本年金学会会員として活動中。

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