定期テストで惨敗する子が知らない過酷な真実 学校では教えてくれない大切な「5つのこと」

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その結果、試験勉強の方法を知らない子は四苦八苦した揚げ句、得点につながらないため「勉強はやっても意味がない」と思うようになることもあります。

点数を取るための勉強方法というものは確かに存在していますが、それは一部の子たちだけに閉じられた“秘法”となっているのです。

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また、一方で、学習塾に行くことで高得点を取る子どもたちもいます。塾のプログラムに沿って、やるべきことをそのまま言われたとおりにやることで、成績が上がることがあります。

それはそれでいちばん手っ取り早い方法ですが、誰でも塾のプログラムで、成績が上がるかといえば、一概にそうとも言えません。

実は、塾では各中学校の過去問というものを入手しており、それと酷似した問題が定期テストで出ることが少なくないため、それをテスト直前に行うことで、高得点が取れてしまうことがあるのです。しかし、それは本物の学力ではないため、似たようなテストがでない場合は、点数は取れません。

塾に通っていても安定的に点数が取れている子は、テスト前に「自分で」試験勉強をやっています。ですから、塾に行けば単純に成績が上がるとは限らないということは、このような背景があるのです。

先生に質問するときの正しい問い方

ですから、塾に入れるという道をとることもできますが、その前に試してもらいたいことがあります。それは「学校の先生にテスト勉強についてどのようにしたらいいか聞く」という方法です。先ほども言ったとおり、通常は学校ではテスト勉強方法を教えません。しかし、聞かれれば答えてくれる先生は少なくないものです。

その際、子どもには次のように伝えてください。

「どこを勉強したらいいですか?」(×)
「どのように勉強したらいいですか?」(○)

「学校の先生にテスト勉強法聞いておいで」と言うと、「どこを勉強したらいいですか?」と聞いてしまう子がいるのです。そうすると「試験範囲を出しているので、その部分をやるように」となります。

しかし、「どのように勉強したらいいですか?」と聞けば、問題集の使い方、教科書の読み込み、プリントの使い方などを教えてくれることでしょう。これが試験勉強方法なのです。ですから、まずは正しい問い方で、学校の先生に教えてもらうのがいいでしょう。

「そんなことで?」と思われるかもしれませんが、こんなちょっとしたことで、道が開けることがあるのです。ぜひ一度、試してみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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