鈴木茂晴・大和証券グループ本社執行役社長(CEO)--合弁解消のメリットは多い。フリーハンドが増した

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 少しハードルは高いが、アジア域内においてブローカレッジ(証券仲介業務)でベスト5、株式引受業務でベスト10に2~3年内に入ることを目指す(現在は証券仲介で10位程度〈自社推定〉、株式引き受けで91位〈今年1~9月、トムソン・ロイター調べ〉)。

ブローカレッジについては、注文を増やすために優秀なアナリストの採用にも力を入れている。チームのヘッドとして、私の給料の数倍以上稼ぐような大物を招き入れないと劇的に変わらないので、今いろいろ活動している。もちろん、香港も人材の数がそういない中で獲得競争が厳しい。ただ、欧米では報酬規制が強化される方向にあり、人材がアジアに流れそうな動きもある。

引受業務については、現地に顔の利く人が必要だ。香港、シンガポール、台湾などで交渉中にあり、数カ月以内には公表できるだろう。新たな拠点もインドネシアなど、いろいろと検討を進めている。

--アジアでM&Aの考えは。

自前での拡大が基本だが、現地金融機関との提携や買収が有効な地域、分野については積極的に検討する。

--競合する欧米の投資銀行との差をどう認識していますか。

ゴールドマン・サックスなどのようなリスクの取り方を日本の証券会社はできない。民族性かもしれないが、中国でも日本勢は普通債中心で、エクイティ(株式業務)は腰が引けていた。結局、先にやったゴールドマンなどが成功を収め、われわれは後手に回ってしまった。

それでも日本にとって、世界で最も伸びている地域が地政学的にすぐ近くにあるのは、願ってもない僥倖だ。同じアジア人としてのシンパシー(共感)も組み合わせていけば、十分対抗できるのではないか。

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