鈴木茂晴・大和証券グループ本社執行役社長(CEO)--合弁解消のメリットは多い。フリーハンドが増した

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鈴木茂晴・大和証券グループ本社執行役社長(CEO)--合弁解消のメリットは多い。フリーハンドが増した

大和証券グループ本社は昨年9月、約10年間続いたホールセール(法人向け取引)事業における三井住友フィナンシャルグループ(FG)との合弁解消を決断。合弁会社だった旧大和証券SMBCの三井住友保有株式(40%分)を全額取得し、今年1月から完全子会社の大和証券キャピタル・マーケッツ(CM)として発足させた。リテール(個人向け取引)子会社の大和証券とともに、完全なる独立系証券会社グループとして再始動したわけだ。

創業来の大きな節目にある中、収益力強化策としてアジアビジネスの拡大方針も打ち出し、大幅な人員・資本増強を行っている。社長就任から6年となる鈴木茂晴CEOに、今後の戦略などについて聞いた。

--合弁解消という決断は、やはり「正解」でしたか。

正解かどうかは長い目で見る必要があるが、決断としては、ほかに選択肢はなかった。先方は旧大和SMBCのマジョリティ(過半数の議決権)を求めたが、当社にとってホールセール部門が非連結対象となることは考えられないことだ。

証券会社にとり、リテールとホールセールは車の両輪。シナジーは極めて大きい。しかも、当社グループのリスクと資産の大半を持つのがホールセール部門。これが連結対象でなくなると、株主にとっても非常にわかりにくい会社になってしまう。

--昨年10月、大和証券CMでは三井住友FGからの転籍者・出向者(209人)が抜け、実質的に独立系として再出発しました。

現状、メリットのほうが断然多い。たとえば、(昨年12月の)三菱UFJFGの公募増資で当社が共同主幹事に選ばれた。今まで引き受けシェアで1%だったのが、一気に18%まで上げてもらった。当社のお客さんは三井住友の株はたくさん持っているが、三菱さんの株はあまり持っていなかったので、当社販売分はすぐに消化できた。銀行がそうしてくれたことで、今後は三菱グループとの関係も強化していきたい。

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