ハイテク都市「深圳」倒産続出からの生き残り策 コロナで大きなダメージを受けたが復活も早い
新型コロナウイルスの発生が中国・武漢で報じられたのは2019年12月末のこと。その波は中国のハイテク都市、深圳にもやってきた。2020年3月には、深圳市も外国人のビザをすべて無効化し他都市への移動を制限。事実上のロックダウンに陥った。その影響は深圳を拠点とする多数のスタートアップにも及び、倒産が続出したという。
しかしながら、その状況からの復活が早いのも深圳ならでは。深圳を拠点とするイノベーションコミュニティー「スタートアップサラダ」を運営し、世界各国で年80件のハッカソン(企業のビジネス上の課題などについてコミュニティー内で解決策を競い合うコンテスト)を開催する「立即行動科技」の設立者3人のうちの2人、李凱琳さん(28歳)と趙龍さん(33歳)、さらに香港に滞在しているスタートアップサラダ日本担当の加藤勇樹さん(29歳)を交えて、コロナ禍に見舞われた深圳とその後のスタートアップの変化について聞いた。
1億5000万円調達して、3カ月後に倒産
2020年9月現在、深圳は新型コロナウイルスの新規感染はゼロの日もあり、落ち着いている状態だ。しかし李さんいわく、多くのスタートアップがこのコロナ禍で大きなダメージを受けたという。
「新型コロナウイルスは、中小規模のスタートアップにとって大きな悪影響を及ぼしました。中には倒産した企業も少なくありません」(李さん)
李さんいわく、倒産してしまうパターンは2種類あった。まず、それなりにうまくいっていたスモールビジネスを運営していたスタートアップが潰れてしまうケース。例えば小規模のSTEAM分野(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsなどの各教科での学習を実社会での課題解決に活かしていくための教科横断的な教育)といった教育ビジネスやオンラインショッピングなどがそれに当たる。
一見、オンラインショッピングはコロナ騒動が追い風になりそうだが、発生当初はそうではなかった。中国では都市封鎖や外出禁止などが厳格に運用されたため、出社困難で会社そのものを正常に運営ができなくなるケースが多発したほか、ECで販売する製品自体の生産ラインのマヒや物流の停止、投資家の資金ストップによる運転資金のショートなどがその理由だ。コロナ発生から3カ月ほどは持ちこたえられても、それ以降は体力のない会社から相次いで倒産していったという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら