ハイテク都市「深圳」倒産続出からの生き残り策 コロナで大きなダメージを受けたが復活も早い

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次に挙げたのは「高い技術力は持っているが資金が不足した会社」だ。ハイテク系のITベンチャーやバイオベンチャーなどがそれに当たる。深圳を含む中国のハイテク系大規模スタートアップは、月々のランニングコストが生半可なものではない。

新型コロナウイルスの流行前までは、こうした企業は黒字化しないままでも資金調達を繰り返して成長し、IPO(新規株式公開)を狙うのが当たり前だった。しかしながらそこに新型コロナウイルスが直撃。売り上げがまったく立たなくなると話は別だ。

北京を拠点とするあるハイテク系企業は、2019年の10月に1000万人民元(約1億5000万円)の資金調達をしたばかりだった。しかしコロナ禍をしのぐことができず、年明けには会社を清算したという。

「生き残れないことがわかって、事業の凍結や身売りを考えるスタートアップは後を絶ちません」(李さん)

ライブ中継販売が大盛況

しかしながら、コロナ禍を追い風に成長を続けるスタートアップもある。なかでもいま注目されている手法が、動画プラットフォームで商品の説明動画を流す実況中継販売(ライブコマース)だ。

「ピンチをチャンスに変える起業家も多いのです。特にTikTok(ティックトック)やbilibili(ビリビリ)といった動画プラットフォームでライブ中継しながら商品を売るビジネスが大流行しています。元手なしですぐに始められますからね。コロナで潰れた会社や、起業を失敗した人たちの救いになっていますよ」(李さん)

ただし、最近はこのライブ販売も流行しすぎてレッドオーシャンになりつつあるという。「若い人向けの料理の作り方や化粧の仕方などは、競合が多すぎて淘汰され気味です」(同)

こうした流れを受け、李さんたちはスタートアップサラダの会員向けに、ライブ中継販売のオンラインコースを開き、起業家を助けることも始めた。

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