癒しの一杯も遠のきかねないコーヒー豆高騰 天候不順に加え、生産者の思惑も交錯
朝の目覚めや仕事の合間に飲むコーヒー。この癒やしの一杯の価格が上がってしまうかもしれない――。米・ニューヨークの先物市場で3月上旬にアラビカ種のコーヒー豆が1ポンド(約453グラム)当たり200セントを超え、昨年11月上旬から2倍の水準まで上昇した。
2011年には300セントまで価格がハネ上がった。生産国での天候不順や新興国におけるコーヒーの需要増、米国の金融緩和に伴う投機資金の流入が主な要因だった。
今回の価格高騰は、2014年1月から3月にかけてコーヒー豆の最大生産国であるブラジルが干ばつに見舞われ、世界的な供給不足が起こるとの懸念が広がったことが主な理由だ。
しかし、「ブラジルの干ばつだけが、コーヒー豆の価格上昇の理由ではない」と、丸紅の梶原和幸・飲料原料部長は指摘する。
コーヒー豆は通常、豊作と不作を1年ごとに繰り返す。豊作の翌年はコーヒーの木の体力が弱まり、収穫量が減ってしまうからだ。2013年は前年が豊作だったことから、減産になる年とされていた。ところが、実際には市場の想定より豊作になってしまった。その反動で2014年は減産になるという見方が、干ばつ以前から存在していた。
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