「松本まりか」気になる人に伝えたい魅力の本質 最も旬な女優、甘い声の裏にあるたたき上げ

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基本的に大抵の物事は表裏一体であり、「100対0でよくない」「絶対に直すべき」ということはそれほどありません。松本さんが「甘い声なのに、悪い、強い、怖い」というポジティブなギャップを武器にできたことと同じように、見た目、性格、経歴などのコンプレックスも弱点とは決めつけられず、武器に変えるチャンスがあるのです。

松本さんはかねて歌が苦手なことも明かしていましたが、前述したように先日、大型音楽特番「THE MUSIC DAY」で人気アーティストの中に交じって歌唱しました。驚かされたのは、歌うことに苦手意識があったうえに、生放送の番組だったこと。VTR出演も可能だったにもかかわらず、あえて生放送での歌唱に挑戦する姿勢は、「成功を収めている今だからこそ挑んでいく」というたくましさを感じさせました。

松本さんはこの挑戦について自身のツイッターに、「こんな事が私の人生で起こるなんて。そう思いました。粛々と、取り組ませていただきました」とつづっていましたが、ハードルの高い挑戦ほど、おのずと練習量は増えていくもの。数えきれないほど「愛人」を歌い込み、それでも「こんなの聴かせたくない」と悩みながらも、さらに練習を重ねて本番を迎えたようです。

成功を重ねながらコンプレックスや苦手を克服

そんな松本さんの歌唱が大きな反響を集めたのは必然であり、彼女自身が求めていた「表現者としての可能性を広げたい」という目的は達成されたのではないでしょうか。成功を重ねながら、コンプレックスや苦手なものを1つ1つ克服しているのですから、今後も活躍の場はますます広がっていくはずです。

9月15日に放送された「めざましテレビ」(フジテレビ系)の出演時にも、いかにも松本さんらしく、成功を収めるビジネスパーソンにも共通するコメントがありました。

“怪演女優”と呼ばれることについて聞かれた松本さんは、「怪演しているつもりはないんですけれど、そういうふうに言っていただけるのは、すごくうれしいですし、『面白いな』と思います」とコメント。この言葉から感じるのは、「仕事の評価は自分ではなく他人がするもの。ただ、それをどう思うかは自分次第」というスタンス。だからこそ松本さんは、どんな評価を受けたとしても、「そうなのか。じゃあ、次はこうしてみよう」などと進化につなげられるのではないでしょうか。

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