コロナ禍の高校運動部、大人は何ができるか

「スポーツと子どもの権利」当事者の悪戦苦闘

高校のサッカー部(撮影:益田美樹)

新型コロナウイルスの感染拡大によって“最後の大会”が中止になった高校生のために、春から夏にかけて「思い出作りの場」が各地で開かれた。その後、3年生たちは引退。

一方、集大成の大会が秋以降となるサッカーや陸上などの部活動では、一部の3年生部員が今も現役を続行中だ。大会中止や感染への不安、部活に対する社会の風当たり……。これまでにない環境で練習を続けながら、当人や保護者、指導者らは何を考えているのだろう。

大会も部活も中止 揺れる高校生

千葉県の中央学院高校サッカー部3年、藤岡夏央さん(18)は8月上旬に流れたニュースに目を疑った。全国レベルの強豪、島根県の立正大淞南高校サッカー部の寮で新型コロナウイルスの集団感染が発生したというのだ。

「あのサッカー部のキャプテンは中学時代に一緒にプレーした仲間なんです。急いで連絡したら、『大丈夫だよ』と。とりあえず無事で安心しましたが、コロナはもう他人事ではない。いっそう気をつけなきゃと思いました」

前年には思いもよらなかった展開は、今もずっと続いている。

7カ月前の2月2日、藤岡さんら中央学院高校サッカー部の新チームは、千葉県の新人戦でブロック優勝を果たした。全国でも激戦区とされる千葉県で、ベスト8入りに相当する成績だ。幸先のよいスタートを切り、「先輩たちが残したインターハイベスト4を超えることを目標に、みんなで頑張っていました」と藤岡さんは振り返る。

中央学院高校サッカー部の藤岡夏央さん(撮影:益田美樹)

約1カ月後の3月、コロナの感染拡大が深刻になってきた。当面の公式戦、練習試合はすべて中止。4月に入ると、学校が休校になった。練習も同じ時期に休止され、寮生の藤岡さんはいったん京都の実家に戻ることになった。そして4月26日には夏に予定されていたインターハイの中止が発表された。

「このチームでプレーできる時間、試合が少なくなってしまう。それが結構悔しくて、寂しかった。でも、(大会が)なくなったのは仕方がない。気持ちを切り替えていかないと」と藤岡さんは言う。

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