求む! 企業のスピーキングテスト積極採用
安河内:たとえば、韓国ではサムスン電子が就職試験にTOEICスピーキングテストを採用したことで、ほかの企業も一斉にそれにならった。これは日本でも起こりえることです。象徴的な企業がTOEICやソレイシィさんのスピーキングテストを採用する、なんてことになれば。
ソレイシィ:私のSPM Interview Testは、まだ大規模なものには対応できませんが、いつかは可能になるかもしれませんね。
安河内:先ほどドミノ現象とおっしゃっていましたが、大手企業1社がテストを変えることが、最初のひとつ目のドミノを倒すことになりえるのです。
ソレイシィ:そうですね。「企業が求める人材=スピーキングテストの高得点者」→「就職率を上げたい大学=スピーキングテスト高得点者を増やす」→「大学入試にスピーキングテスト登場」、そんなドミノ効果も夢ではなくなりますね。
安河内:ただ、現状に目を向けると、今、言ってきた方向とは真逆に行ってしまっている例も、少なくありません。ある会社は1年前から従来のTOEICで900点以上を取った社員に100万円の報奨金を出すようにしたそうです。となれば、TOEIC900点突破に向けて、どうしたって、リスニングとリーディングだけ勉強しますよね。スピーキングそっちのけで。 ちょっと違うと思うんですよ。
ソレイシィ:どの業界もそうですよね。TOEICのスコア730点以上が応募条件というような企業もけっこうあります。
このような現実は、大学の英語の授業にも悪影響を及ぼしています。よく耳にするのは、せっかく大学によいスピーキングやライティングのコースがそろっていて、productive(生産的)な英語力を伸ばす環境があるのに、学生の申し込みが殺到するのはTOEIC対策のコースだけという話です。TOEIC対策のコースには100人以上ものウエーティングリストができるので、新しいTOEIC対策コースが増設される。一方で、スピーキングやライティングのコースは閑古鳥が鳴いている。
安河内:TOEICスピーキング、ライティングテストが企業の採用試験に使われるようになれば、状況は一変しますね。
ソレイシィ:そうなのです。就職活動のことで頭がいっぱいの2年生、3年生にも大人気になるでしょう。
安河内:スピーキングテストを啓蒙している私やソレイシィさんが協力して、スピーキングテストを盛り上げないとダメですね。
ソレイシィ:スピーキングテストを盛り上げる会を作りましょう!
安河内:Great idea! 私はTOEICスピーキングテストを推すことでスピーキングテストの普及促進をしているのですが、別にその結果、BULATSが採用されても、ソレイシィさんのテストを採用してもらっても一向に構いません。結局、スピーキングテストがはやることがいちばん大事ですからね。どんどん盛り上げていきたいと思っています。
ソレイシィ:私のテストは、効率よくできるシステムがあることと、採点者である面接官と対面できること、どのレベルの英語力の人でも受けられること――この3つが特徴です。TOEIC500点以下の人のスピーキング力の測定もできるのです。
安河内:TOEICスピーキングテストは、700点以下の人にはちょっと難しいですものね。
ソレイシィ:そのとおりです。ですから、TOEICで700点以上取ってからスピーキングテストを受けるということになってしまいます。すごくもったいないことですよね。本来、スピーキングテストは、基礎的な英語力でも受けられるべきものです。TOEIC700点の壁が受験を阻んでしまうのは考えものです。「スピーキングは、初級者がやるべきではない」という考えが、ベースにある感じがしませんか?
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