Knotが国産腕時計メーカーとして絶対守る牙城 上場取りやめても、顧客と取引先のほうを向く

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Knotの遠藤社長が時計業界の表と裏を語り尽くした(写真:新潮社)
日本の伝統工芸の技術で作られたベルトと、高品質で優れたデザインの時計本体を自由に組み合わせ、自分好みの腕時計を低価格で提供する国産腕時計「Knot」。「Knotが上質な国産腕時計を1万円台で出せる訳」(2020年7月16日配信)に続いて、「Knot」創業の経緯や変化しつつあるブランド戦略についてKnot社長の遠藤弘満さんに聞いたインタビュー後編をお届けする。(取材はZoomで実施)

いいものを作っていれば、必ず売れる?

――「Knot」のベルトは、日本各地の職人技術によって作り出される伝統工芸品が取り入れられています。「MUSUBUプロジェクト」という取り組みを通して、日本に息づく繊細で丹念なものづくりを世界に向けて発信されていますが、日本のものづくりが抱える現状や課題について、どのようにお考えですか。

最初のころは、メイドインジャパンにそこまで強いこだわりはありませんでしたが、日本のものづくりの現場の方や経営者の方々と話す中で、私の中に使命感がどんどん生まれてきました。

日本の職人さんたちは、「いいものを作っていれば必ず売れる」という思い込みがありますが、実際は違います。「これはなんとかせにゃいかん」と思い、日本の伝統工芸と世界を結んでいくことを心に決めました。Knotはものづくりを担当している素材メーカーさんや職人さんたちを“パートナー”として、店舗やウェブサイトで積極的にPRを行っています。

――製造業や開発現場は、少子高齢化に伴う後継者不足の問題も抱えています。ものづくりの魅力を次世代に伝えるとともに、世界に発信する取り組みを行っているんですね。

東京オリンピックの開催が2020年に決まった際、政府はインバウンド(訪日外国人観光客)を年間2000万人と予測し、大手百貨店各社も「ニッポン」のものづくりフェアを開催し、和装小物や焼物などを売っていましたが、需要がすごくあるかというと疑問です。というのも、そもそも日本人の間で人気が高いワケではない。なのに外国人だったら売れるのかと。

職人さんたちの中には自分たちの作ったいいものが売れない理由について、「お客さまがモノの価値をわかっていないから」「値段だけで中国製を選んでいる」と思い込んでいる人がいるのです。

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