Knotが上質な国産腕時計を1万円台で出せる訳 「社長解任」の辛酸を舐めた男が創ったブランド

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日本の腕時計市場に旋風を巻き起こしている「Knot」の物語を追う(写真:新潮社)
日本の伝統工芸を生かした技術で作られたベルトと、高品質で優れたデザインの時計本体を自由に組み合わせ、自分好みの腕時計を1万円台から購入できる――。
2014年に東京・吉祥寺で産声を上げた国産腕時計が、若い世代を中心にジワリと人気を広げている。その名はKnot(ノット)。腕時計の量産ブランドとしては約80年ぶりに誕生した国産メーカーだ。現在、国内主要都市に13店舗の直営店を構えるほか、台湾、シンガポール、タイなど海外5カ国にも進出している。
日本の時計業界は、「セイコー」「シチズン」「カシオ」の国産3強と、海外ブランドなどが市場にひしめくなか、手ごろな価格のモデルは、ほとんど中国で作られている。一方、Knotは優秀な技術者や素材が集まる日本国内の工場で生産。デザイン、設計、部品の調達、組み立てから販売までを手掛け、コストの高い高品質な材料を使用しながらも低価格を実現している。それも自分好みのカスタムオーダーが可能だ。
Knotの社長を務めるのは遠藤弘満さん。7月に新潮社から発売された『つなぐ時計―吉祥寺に生まれたメーカー Knotの軌跡―』(金田信一郎著)では、遠藤社長を主人公として、「時計界のユニクロ、JINS」と言ってもいいKnotがどのように生まれ、ここまで育ったのかが描かれている。「伝統」「歴史」が重要視されがちな時計業界に旋風を起こすKnotとは?創業の経緯や変化しつつあるブランド戦略について遠藤社長に聞いたインタビューを、前後編の2回にわたってお届けする。(取材はZoomで実施)

本体とベルトで2万通り以上の組み合わせ

――「Knot」の店舗に入ってまず目に飛び込んでくるのが、たくさんの時計とベルトが並んだテーブル。自分の個性やファッションに合わせて時計本体やベルトを選び、自分好みの時計を完成させられる売り方は、ほかの時計店では見られません。

80種類以上の時計本体と400種類以上のベルトがあり、組み合わせは2万通り以上あります。ベルト1本をTシャツ1枚の価格で提供することを創業当時から決めていました。時計は、ベルトが変わるとガラッと印象が変わります。

時計のベルトを、Tシャツを買うような感覚で変えられたら楽しいじゃないですか。

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