オンライン課金が、ジャーナリストを救う ネットでジャーナリズムが繁栄する日

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「私は間違っていたと言わざるをえません。(デジタル購読料という)実験はまだ初期段階ですが、タイムズにとっての朗報としては、おおむねよい結果が出ています。いや、これまでのところ、成功だったと言わなくてはならないような気さえしています」

2011年10月15日、ウィーンで開かれた世界編集者会議で、タイムズのジム・ロバーツ編集局次長(当時、現マッシャブル上級編集者)はこう告白した(英オンラインマガジン「Journalism」による)。

同氏は、タイムズ社内でオンライン版課金に反対の立場をとってきた。記者ツイッターなどソーシャルメディアを駆使して獲得してきた、若いオンライン読者を失い、トラフィックの減少、さらにオンライン広告の減少につながると強く懸念していたからだ。しかし、課金によるオンラインの読者離れは起きず、サイトのユニークビジター数は前年に比べ増加していった。

これ以降、北米の多くの新聞が、オンライン版課金という潮流に、次々に飛び込んでいった。

”炎上”狙いのコメントがなくなった

メディアアナリストのケン・ドクター氏によると、2013 年末までに、米新聞社の41%が、オンライン版の課金に踏み切った。ほとんどの大手あるいはローカル大手が課金を始め、小規模かコミュニティ新聞がオンライン版を無料で提供し続けている。

しかし、一方で、新聞読者をオンライン版に誘導するための「工夫」も必要だ。

カナダ・マニトバ州最大の新聞ウィニペグ・フリープレスは、 オンライン版の課金はいまだに導入せず、カナダの大手で、課金をしていない唯一の新聞だ。フリープレスは、年内のオンライン課金開始を目指し、まず、オンライン記事へのコメント書き込みを、新聞購読者に限定した。

「結果、憎しみに満ちた、あるいは“炎上”を狙ったコメントがなくなり、建設的になった。新聞読者に、オンラインでコメントを交わすことは怖いことではないのだ、と知らせるためです」

「オンライン版は明らかに、ほかの新聞社もそうしているように、私たちが向かうべきゴールです。そこに読者を導くための努力もすべきです」と、ジュリー・カール編集局次長。

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