オリンパス、「カメラ事業」の復活に必要な条件

JIPの買収によって、「VAIO復活」の再来なるか

そのため、稲垣氏は「オリンパス社内では見えていなかった映像事業の特徴を精査し、どの市場で特徴が生きるか見極める」としたうえで、「その市場に合う規模や体制に作り変え、身軽に挑戦できるようになれば、縮小するデジカメ市場のなかでも強みが生きてくると経験的にも感じている」と自信を示す。

では、オリンパスのデジカメの特徴は何か。稲垣氏は「小型・軽量、手ブレ補正の性能の高さなど多々あるが、その裏側にある技術はマイクロフォーサーズというセンサーだ」と語る。

マイクロフォーサーズとはオリンパスとパナソニックによって策定されたミラーレスカメラの目に当たるセンサーの中でも中型サイズのもの。一般的にフルサイズという大型センサーがプロ・ハイアマ向けに使用されることが多いが、サイズが小さいことを生かし小型・軽量モデルに採用されてきた。

JIPはこのマイクロフォーサーズの特徴が評価される市場が国内外に一定規模あり、こういったコアユーザーがいる市場を深掘りすることでしっかりとした事業基盤ができると期待している。

持続可能な黒字化を目指す

一方、今後はこうした強い技術を生かせる有望な新規市場を見出すことも欠かせない。中長期的視点では、動画に特化したコンシューマー商品や、監視カメラなどビジネス向けまで多様な市場も視野に入れている。現状のオリンパスのカメララインナップを超えて挑戦を繰り返すことで、最適な市場を見つける必要があるという。

販路や生産も模索している。ただ「VAIO」のように海外市場から一度撤退するという考えはなく、今後も主力市場である欧州など海外販売は続ける方針だ。工場など生産体制も議論中だが、ベトナムの主力工場を残すなど、「ファブレスにする予定はない」(稲垣氏)。

中堅企業の規模にあった構造改革は行っても、単にリストラや工場の売却を行うのではなく、持続可能な黒字化を目指し、初年度には事業の黒字化を達成できればという。その後も外部企業などへ売却するのではなく、JIPのもとで再生復活への道を探る。

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