菅新政権は「暫定」か、解散・人事で揺れる党内 焦点は官房長官人事、隠れた「本命」も浮上
菅氏は官房長官人事について、4日の大手紙インタビューで「非常に難しい。情報発信、国会対策、政策のとりまとめと、全体を見ていなければダメだ」と語り、総合力が選任のカギになるとの考えを示した。
調整型として下馬評に上がるのは、加藤勝信厚労相、萩生田光一文科相、森山裕国対委員長の3氏。加藤、萩生田両氏は菅氏の下で官房副長官も務め、答弁の手堅さに定評がある。加藤氏は竹下派だが安倍首相と親密で、細田派の萩生田氏は安倍首相の最側近。一方、森山氏は菅氏と同様の叩き上げ政治家で、菅氏と二階幹事長の双方に信頼関係と太いパイプを持っている。
隠れた本命に挙がる梶山経産相
対するアピール型としては河野太郎防衛相や小泉進次郎環境相の名前が挙がる。両氏とも「国民向けの発信力は抜群」(自民若手)だからだ。将来の総理・総裁候補と目される両氏は今回、相次いで菅氏支持を明言したが、党内では両氏の選挙区から「神奈川連合」との見方も出る。
もともと、麻生派の河野氏や無派閥の小泉氏は、「実際の後見人は菅氏」(自民幹部)とされ、「河野官房長官、小泉官房副長官という人事なら、早期解散の布石」(自民長老)と見る向きが多い。ただ、党内には「そんな人事をしたら、各派閥がそっぽを向く」(同)との声も少なくない。
そこで、政界関係者の間で「隠れた本命」とささやかれるのが、梶山弘志経済産業相だ。菅氏の政界の恩師は故梶山清六元幹事長で、弘志氏はその息子。菅氏と同じ無派閥でバランス感覚や調整力にも秀でているとされ、菅氏の側近でもある。
過去には石破グループに属していたこともあり、石破氏とのパイプ役にもなれる。仮に菅氏が「梶山官房長官」を選んだ場合は、「早期解散と任期満了選挙の両にらみの戦略」(自民幹部)と読む向きもある。
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