菅新政権は「暫定」か、解散・人事で揺れる党内 焦点は官房長官人事、隠れた「本命」も浮上
今後の政治日程としては、①14日の総裁選投開票②15日の自民党4役人事③16日召集の臨時国会冒頭での首相指名と同日中の組閣・新内閣発足④18日に臨時国会閉幕、という段取りがほぼ確定している。
党内では新政権の人事予想やそれも踏まえた衆院解散の時期についての、さまざまな臆測が飛びかっている。
麻生派幹部の鈴木俊一総務会長は6日の民放テレビ番組で、新内閣が改めて召集する秋の臨時国会での衆院解散の可能性について、「(新首相は)その誘惑に駆られる。新内閣ができて評価の高いときに国民の信を問う。大義名分も立つ」と早期の解散・総選挙に言及してみせた。
党内は菅暫定政権を想定
ここにきて菅氏の発言も微妙な変化をみせている。連日のインタビューで早期解散の可能性を聞かれると、「状況次第」などと思わせぶりに語る場面もあった。党内にある2021年9月の次期総裁選までの中継ぎを意味する暫定政権説についても、「新政権は暫定ではない。自信を持って堂々と務めるべきで、それが国民への責務だ」と本格政権樹立への意欲と自信をにじませた。
2日の出馬会見でも、「私は無派閥で、派閥に推されてここに立っているわけではない」と強い口調で語った。しかし、その直後に行われた麻生太郎副総理兼財務相ら細田、麻生、竹下3派領袖による共同会見では、安倍首相の出身派閥で、党内最大勢力を率いる細田博之元幹事長が「引き続き安倍内閣の業務を引き継いでいただきたい」と発言。党内は「3人の領袖は暫定政権を想定している」と受け止める向きが多かった。
竹下派の総裁候補と目される茂木敏充外相も「次の総裁選には出たい」と語ったことも、3派が次期総裁選での菅氏の続投を前提にしていないことを表している。
そこで、党内が注目するのが菅新政権の陣容だ。特に内閣の要となる官房長官人事は「菅氏の政権運営と早期解散への本気度を占うバロメーターになる」(麻生派幹部)とみられている。「党内バランスを優先した調整型か、選挙をにらんだアピール型かで、菅氏の解散戦略も推し量れる」(細田派幹部)からだ。
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