菅新政権は「暫定」か、解散・人事で揺れる党内 焦点は官房長官人事、隠れた「本命」も浮上

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総裁選は国会議員票394票、各都道府県連代表に3票ずつ割り当てる地方票141票の計535票で争われる。新総裁は16日召集の臨時国会で首相に指名され、新政権が発足する段取りだ。

告示後の3候補の政治理念や政策での論争は、8日の立候補届け出後の所見発表演説会と共同記者会見を手始めに、恒例の日本記者クラブ主催の討論会などで展開される見通しだ。

論戦は、内政外交両面で「安倍政治の継承」を掲げる菅氏に対し、「安倍政治の変革」を求める岸田、石破両氏が攻める構図となる。圧倒的優勢の菅氏の牙城を岸田、石破両氏がどこまで崩せるかに注目が集まる。

菅氏の支持はさらに拡大

党内7派閥のうち5派閥が支持する菅氏の陣営は、それぞれの派内締め付けにより、議員票での造反防止に全力を挙げている。地方票でもライバル2氏を圧倒することによる完勝を目指して、党員・党友への個別電話作戦などを徹底する構えだ。「議員票で見込みより数十票も減らし、地方票でも過半数を逃せば、菅氏の求心力低下につながる」(陣営幹部)との不安からだ。

菅氏支持への流れを作った二階俊博幹事長が率いる二階派(47人)と細田派(98人)、麻生派(54人)、竹下派(同)の3大派閥との主導権争いには、陣営内の若手議員から「古い自民党の復活」との批判が噴き出し、一致結束への不安も残る。

また、議員票で圧倒的に劣勢な岸田、石破両氏陣営は、個人的関係を頼りに議員票の上積みを目指す一方、地方票での支持拡大に活路を求めている。弱者に味方する日本的な判官びいきムードをかき立てることで、菅氏に一矢報いるのが狙いだ。

しかし、ここにきての主要新聞などでの世論調査では、「次の首相」に菅氏を挙げる回答がトップとなり、自民党支持層では約3分の2に達している。このため、現状では「議員票で約8割、地方票で6割以上の合計400票に迫る菅氏の圧勝」(菅陣営幹部)との見方も広がる。

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