「半沢直樹」最大の立役者が大和田である理由 主人公を超える話題性を生み出す絶妙な仕掛け

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その他でも、市川猿之助さん、片岡愛之助さん、尾上松也さんを合わせた“歌舞伎チーム”で談笑していたエピソードが何度となく語られていますし、コロナ禍によるストレスがかかる中、香川さんは現場のムードメーカーとなっているようです。

注目が集まる放送期間中のツイート

そんな香川さん自身も、ノリノリで演じていることを明かしていますが、それを最も象徴しているのが、遊び心あふれるアドリブの数々。主演の堺雅人さんが、「香川さんは羨ましいくらいに自由に遊ばれる方」「できることなら、僕も大和田を演じてみたい」と言うほど、生き生きと演じる姿を見せ続けています。実際、第7話で半沢と大和田が「さあ」「さあ」と交互に畳みかけて曾根崎を追い詰めるシーンは、演じる2人の楽しさが伝わってくるようでした。

ちなみにそのシーンについて香川さんは放送後にツイッターで、「第7話で曽根崎に浴びせた『さあ、さあ、さーアサァサァサァ!』は歌舞伎の常套句。堺さんも完璧な間の取り方でした」と解説していました。香川さんは悪役のトップとして大和田を演じ、ムードメーカーとして現場を盛り上げているだけでなく、スポークスマンでもあるのです。

たとえば、8月7日に「半沢直樹の4話は、もう本当に伝説の回になります…www いよいよ大詰めの、猿之助さんとの親戚漫才をどうかお楽しみ下さい!」とツイートしたほか、放送終了後の9日にも「皆さま、第4話はご覧いただけましたか? 従兄弟漫才はどうでしたかwww? それにしても…今週も汚い言葉を連発してしまい、本当に申し訳ございませんでした」とツイートしていました。

さらに23日には「第6話、ついに土下座が炸裂しました。曽根崎役、名古屋で劇団を主宰する佃典彦さんは、1日中あの長いシーンを何度も繰り返し撮影したのに、ただのひと言もセリフを間違えませんでした。もちろん堺さんも…」と共演者を称賛。加えて、「さて来週は神回降臨…ご期待を」という次回の番組視聴を促すコメントも忘れませんでした。

そもそも放送期間中の具体的なツイートはリスクを伴う行為だけに、これほど積極的な俳優は希少な存在。香川さんが多忙な中で自らドラマを売り込み、さまざまな話題を提供し、共演者やスタッフのフォローをしていることが、大和田のさらなる人気につながっているのではないでしょうか。

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