コロナ株高の裏にあるお金ジャブジャブの正体 これからも株・債券・金のトリプル高は続くのか

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最後にこうした状態でワクチンの大量供給、ウィルスの弱毒化など何らかの要因で人々の予想より早期に経済が急回復する場合、どういったことが起きるのか考えてみたい。

実体経済ではインフレ率加速が考えられる。じゃぶじゃぶに供給されたマネーが実体経済に滞留するなかで、需要が回復し、供給制約が残存すればインフレの条件が揃う。

そうした中でFRBが長期の金融緩和を約束するならば、インフレの可能性はますます高まるだろう。

通貨供給量と物価の関係は必ずしも安定的ではないが、経済活動再開の進捗にしたがって、これまでのインフレ基調が上方乖離するシナリオも考えられる。こうした状況は程度の差こそあれ、日本も同様である。

「コロナバブル」の可能性も

金融市場では、政策当局が引き締めに動けず、「コロナバブル」とも言うべき状況が到来する可能性がある。

すでに資産価格は実体経済対比で大幅に上昇しているが、だからといって失業率が十分に低下する前に金融引き締めに転じたり、緊縮的な財政政策に舵を切ることは現実の世界では考えいくい。

日米の政策当局は資産バブルのリスクを認識しつつも、それに目をつぶり、景気刺激的な政策スタンスを維持するだろう。

現在、一般的に広く共有されているメインシナリオはコロナ禍が長期化するなかで「景気低迷が続き、デフレ圧力が強まる」といった具合である。しかしながら、こうした逆のシナリオも一考の価値がある。

藤代 宏一 第一生命経済研究所 主席エコノミスト

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ふじしろ こういち / Koichi Fujishiro

2005年第一生命保険入社。2010年内閣府経済財政分析担当へ出向し、2年間『経済財政白書』の執筆や、月例経済報告の作成を担当。その後、第一生命保険より転籍。2018年参議院予算委員会調査室客員調査員を兼務。2015年4月主任エコノミスト、2023年4月から現職。早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。担当は金融市場全般。

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