コロナ株高の裏にあるお金ジャブジャブの正体 これからも株・債券・金のトリプル高は続くのか

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一口に「ジャブジャブ」と言っても、かつてのそれが主に日銀と民間銀行の間で生じたマネタリーベース増加を指していたのに対し、今の局面のそれは経済活動を担う主体(企業、家計)に直接行き渡っているという点で根本的に異なる。

こうしたマネーストック急増はアメリカも同様、いやアメリカこそが圧倒的である。

7月のマネーストック(M2)は政府による家計支援策(現金給付、失業保険上乗せ給付)と銀行貸出の増加を主因に、前年比プラス23.0%と歴史的な伸びを示した。マクロの家計収入は4~6月期に前年比10%程度増加し、商工業ローンは7月時点で前年比プラス20%程度の増加トレンドにある。

足もとのアメリカ物価の基調は思いのほか底堅い

さて、マネー急増と聞いて連想するのはインフレであろう。そうした文脈で示唆的だったのは7月の米消費者物価だ。食料・エネルギーを除いた「コア消費者物価」は前月比プラス0.6%、前年比プラス1.6%と市場予想(前月比プラス0.1%、前年比プラス1.1%)を大幅に上回り、上向きのカーブに転じた。

個人消費が鋭く持ち直したことで、厳格なロックダウン(都市封鎖)中に下落していた中古車(前月比プラス2.3%)、衣料品(同プラス1.1%)など広範な品目が伸びた。

FRB(米連邦準備制度理事会)が6月FOMC(米公開市場委員会)で示した物価見通しによれば、インフレ率は2020年にプラス1.9%となった後、2022年まで2%を超えず推移することになっている。しかしながら、足もとの物価の基調は思いのほか底堅く、インフレ率の上振れシナリオを想起させる。

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