今、同施設が懸命に取り組んでいるのが、客を安全に迎えられるハード、ソフト両面にわたる施設づくりだ。例えば施設内の混雑している箇所を計測し、客に伝えられるようなシステムがあればよいのでは、という。
しかし課題はやはり資金。
「必須のサーモセンサーも、キャッシュレス対応のレジも高価なんです。足元にお金がない今、なかなか購入には踏み切れないのですが、今後よりいっそうの安心・安全を提供していく施設として、必要な投資設備です」(地神氏)
ガイドラインなどのルールづくりはもちろん必要だが、こうした設備投資への補助こそ、行政に期待したいとのことだ。
未来の宿泊チケットのこれから
今回ご紹介した2つの宿泊施設は、有名な温泉地であったり、知名度があるなど、もともと消費者に強くアピールする施設だ。
トリプラの高橋氏によれば、そうでない施設との間で未来の宿泊チケットの効果には大きな差があるという。
「例えば地方のビジネスホテルなどですね。転売業者などに購入されると困るので、本来1枚ずつしか販売できません。しかし、以前より未来の宿泊チケットのように、先の宿泊をまとめて売りたいという声はありました。
そこでtriplaブッキングに法人機能を設けまして、法人だけが買える未来のチケットを発売しました。未来の出張用途に、法人顧客に例えば1000枚買ってもらい、契約期間の中で社員が回数券のように使えるようにしました」(高橋氏)
8月25日には、「ホテルウィングインターナショナル」など全国37施設を展開するミナシアにてtriplaブッキングを導入。法人機能の活用を開始したが、未来の宿泊チケットについては今のところ販売していないそうだ。
8月末現在、Go Toの東京除外にも動きがありそうだ。また、ワーカーの首都圏外への流出、シェアオフィスなど、コロナ時代を経て「場所」の使い方に変化が起こっている。宿泊業者の中には、そうしたニーズをうまく捉えるところも出てきそうだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら