今回のテーマである「未来の宿泊チケット」について、代表取締役CEOの高橋和久氏は次のように説明する。
「旅行業界では2月から影響が出始め、4月の緊急事態宣言がとどめを刺した。電話が鳴るたびに『ホテル倒産』のニュースが入ってくるという状況です。宿泊施設は維持管理だけでも莫大なコストがかかり、とくに温泉旅館などは、いったん休業をしたら再開に何百万というお金がかかる。苦しんでいる宿泊施設のキャッシュフローを少しでも改善したいと始めました」(高橋氏)
未来の宿泊チケットは純粋に支援策として行っているものだが、公式ホームページ向け宿泊予約システム「tripla ホテルブッキング」を通じてのみ購入できる仕組み。7月末までに約30施設に導入されている。
今回、未来の宿泊チケットを導入した2施設に話を聞くことができた。
ITを使い効率化を進める、由布院別邸 樹
「由布院別邸 樹」(大分県由布市)は、14室の客室すべてが専用温泉付きの離れに設えられた温泉旅館。1泊2食付きで約3万円と高級なためか、夫婦や家族の記念旅行などに利用されることが多いという。また客室に個別の温泉を備えるため、大浴場に入る習慣のないインバウンドからもハネムーン客を中心に人気だそうだ。以前は年間を通して95〜100%の客室稼働率を維持していた。
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