夏の「ポカリ」CMが女子中高生の心を捉えた理由 コロナ禍でも自然体、ポジティブな発信を好感
舞台は海辺に碁盤の目状に設営された鏡張りのステージ。ソーシャルディスタンスが保たれたそれぞれのステージに生徒がひとりずつ立ち、噴水を浴びながらエネルギッシュに歌い踊ったり楽器を演奏したりする姿を描いた。
女子中高生を筆頭に多くの支持を獲得し、モニターからは「画面越しにエネルギーが伝わってくる」「青春を感じた」といったコメントが寄せられるなど、生徒たちの熱量の高いパフォーマンスが人々の心を捉えたようだ。ウェブではCM撮影に至るまでの汐谷らを描く7分35秒のドキュメンタリードラマや、71人の若者が出演するCMソングのミュージックビデオも公開している。
昨今は出演者がビデオ会議で語らうCMや有名タレントを声優に起用したアニメCMなど、コロナ禍に対応したCMが数多く誕生しているが、本作はニューノーマルに配慮しながらも生徒たちのエネルギーを壮大なスケールで表現。「渇きを力に変えてゆく。」のコピーとともに、閉塞感を感じさせないポジティブなメッセージを発信した。
CM起用急増中の「出川哲朗」を好感
このほか注目したいのは、10位に入ったサントリー食品インターナショナル『GREEN DA・KA・RA(グリーン ダ・カ・ラ)』のCMだ。ブランドキャラクターの“グリーンダカラちゃん”と“ムギちゃん”が出演するシリーズCMの新展開がヒット。新たに出川哲朗が“鉄分のてっちゃん”として起用されたことが話題となった。
CMは「♪夏だよグリーンダカラちゃん」といったおなじみのCMソングをBGMに、青空の下でグリーンダカラちゃんたちが元気よくトランポリンで遊ぶ場面に始まる。「♪新しい友だち?」という歌とともに満面の笑みを浮かべた出川が登場すると、続けて「♪名前はてっちゃん 鉄分のてっちゃん 暑くても元気です」という歌詞に合わせて出川がトランポリンの上で楽しげに飛び跳ねる様子が映される。
ラストは空と海をバックに3人が腰に手を当てて商品を飲む姿に「夏には鉄分!」のコピーを重ね、商品をリニューアルして鉄分を追加したことを訴求した。
中高生や30、40代の女性をはじめ、幅広い世代から支持を集めた。モニターからはCMに出演するしずくちゃん、なぎさちゃん姉妹のかわいらしさに関するコメントが目立ち、2012年から続く本シリーズを毎年楽しみにしているという感想も見られた。
また「大好きな出川さんの笑顔がとってもよいです」「てっちゃんとして出川哲朗が出てくるのがよい」などのコメントからも出川の起用が視聴者の興味を喚起したことがわかる。
出川はここ数年でCM起用が急増しており、昨年は芦田愛菜や横浜流星らと“ワイモバダンス”を披露したソフトバンク『ワイモバイル』をはじめ、PIZZA-LA、永谷園、日本瓦斯などのCMに出演。今年は現在までに6社のCMに登場しており、親しみやすく飾らないキャラクターが小学生や女性を中心に支持を集めている。出川の起用によってグリーンダカラの優しく温かい世界観にインパクトが加わり、商品のリニューアルを楽しげにアピールすることに成功したようだ。
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