米大統領選「ロシア介入」は本当に防げるのか セキュリティ予算をコロナ対策に回す州も

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ロシア政府に近いと目されている「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」(本社はロシア・サンクトペテルブルク)は、2016年のアメリカ大統領選挙への介入容疑で2018年2月に起訴された。ただし、ロシア政府はアメリカの選挙への介入を繰り返し否定してきている。

IRAは、草の根団体や政治団体に所属するアメリカ人を装った数多くの偽アカウントをソーシャルメディア上に作り、候補者の中傷を行うなどして2016年の大統領選挙時にアメリカ世論の形成に関与したとされる。フェイスブック上だけでも、推定1億2600万人の利用者がIRAの投稿を目にした。

より巧妙になったロシアの偽情報拡散

インボーディノとハートマンによると、ロシア政府は2020年の大統領選挙に向けてIRA以外にも偽情報拡散業務を委託するようになっている。IRAは、2016年当時、ほとんどの投稿を本社のあるサンクトペテルブルクからしていた。しかし、最近は、発信元を隠すため、代理人やほかのウェブサイトを介して情報を拡散するようになり、ガーナとナイジェリアにも支部を作って投稿している。

ガーナとナイジェリアでのIRAの投稿はほぼ完全に人種問題に特化しており、アメリカ国内の分断をあおり、社会不安を引き起こそうと狙っているようだ。4月にCNNが報じた。ガーナの支部では200以上の偽アカウントが作られ、そのうちの大半は2019年後半にできた。世界中の少なくとも数十万、ひょっとすると数百万人が投稿を目にしたと考えられる。

なお、フェイスブックは、ロシアからの介入に使われていたフェイスブックのアカウント49個と69ページ、インスタグラムのアカウント85個を3月に削除した。 フェイスブックの分析でも、ロシアがガーナとナイジェリアから投稿していた内容は、人種問題や有名人のゴシップ、LGBTQ問題、警察の暴力などを扱い、選挙や候補者については言及していなかった。投稿の真の目的を判別しにくくするためと思われる。

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