「あれがやめられない」と悩む人を救う対処法

注意散漫になる衝動を感じたらどうすれば?

ヨーロッパに向かった客室乗務員たちは、ヨーロッパに到着したときに、タバコへの渇望がピークに達していた。一方、ニューヨークへ向かった旅客機は、その時間にはまだ大西洋上にあり、客室乗務員たちが報告した渇望の度合いは弱かった。なぜそんな差が出たのだろうか。

ニューヨーク行きの便に乗っていた客室乗務員のタバコへの渇望が最も強かったのは、目的地が近づいたときだった。飛行時間と最後に喫煙してからの時間は、渇望の程度には影響しなかった。

実は、渇望に影響したのは、最後に喫煙してからの時間ではなく、次に喫煙できるまでの時間だった。もし、この研究が示すとおり、ニコチンのように中毒性があるものへの渇望をコントロールできるのなら、ほかの不健康な欲求も、脳をだますことでコントロールできるのではないだろうか。ありがたいことに、そのとおりなのだ。

◎注意散漫の欲求をいなすための4つのステップ

ある種の欲求は、その対象についての考え方を変えることで、完全に鎮めることはできなくても、和らげることができる。頭に浮かぶ感情や考えをコントロールすることはできないが、それに対してとる行動はコントロールできる。ブリッカーが行った、ACTを利用する禁煙プログラムの研究が示唆するのは、私たちは渇望を抑え込む方法ではなく、うまく対処する方法を学ばなければならない、ということだ。それは、スマホを頻繁にチェックしたり、ジャンクフードを食べたり、買い物をしすぎたりといった衝動についても言える。

衝動と戦わずにどう対処したらいいか

衝動と戦うのではなく、頭に侵入してくる思考に、より効果的な方法で対処する方法がある。次に挙げる4つのステップはその助けになるだろう。

【ステップ1】
注意散漫になる前に現れる不快な感情(内部誘因)を探し、注目する

執筆中の私をしばしば妨害するのは、何かをグーグルで検索したいという衝動だ。それが難しい仕事から逃れるための口実であることを、私はよくわかっている。ブリッカーが勧めるのは、不安、渇望、落ち着かない気分、無力感といった、注意散漫の前に現れる不快な感情に注意を払うことだ。

次ページ次に不快な感情=内部誘因を書き出してみる
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