自動車業界は、10年の世界主要市場での販売見通しは依然厳しく、回復は緩やか《スタンダード&プアーズの業界展望》

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 しかし、主要市場での需要の本格的な回復には時間がかかると考えており、10年の国内自動車メーカーの生産台数は08年の水準を1~2割下回る公算が大きい。

11年3月期以降も各社の収益の回復基調は緩慢なものになる可能性があるとスタンダード&プアーズは見ている。同時に、高い成長が期待される新興国市場での取り組みの差が、各社の業績格差につながる可能性もあると見ている。

特にトヨタについては、フロアマット問題で、09年11月以降、合わせて約535万台に対する自主改修を決めているほか、米国でアクセルペダルに関し約230万台と大規模なリコールと、対象8車種の米国内での販売・生産の一時的停止を発表している。

このため、回復基調に入った同社の業績に下押し圧力がかかる可能性があるとみている。品質に対する消費者の信頼が損なわれるリスクも残るため、仮に、ブランドイメージが低下し、中期的な販売動向や北米での事業戦略に深刻なマイナス影響が及ぶことになれば、格下げを検討する可能性がある。

<表2>世界の自動車メーカーの格付けランキング

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