これらの伝統校も含め、工科系大学に実就職率が高い大学が多い背景には、情報化社会の進展にともないテクノロジーと無関係な業界はなく、理数能力を持った人材が広く求められていることもある。
3位の福井大学も工学部の定員が大きいことが高い実就職率を支える。工学部以外にも就職に強い教育学部と医学部を持ち、2020年3月に最初の卒業生が出た国際地域学部も高い実就職率になったことから、昨年の5位から順位を上げた。同大は、卒業生が1000人以上で、複数の学部を持つ国公立大の中で、13年連続で実就職率ランキングトップを続けている。
工科系もしくは、工学部の定員が多い大学が優位な中で、5位に入ったのは昭和女子大学。卒業生が1000人以上の女子大の中では、10年連続でトップに位置している。高い実就職率の背景には、学科やゼミの教員とキャリアセンターの連携による、丁寧な就活支援がある。ベスト20位に入った女子大には、東京家政大学(14位)と安田女子大学(15位)がある。
就職支援力が高い女子大
東西の女子大御三家は、東京女子大学が23位で日本女子大学が26位。津田塾大学は卒業生が656人のためランキングにはないが実就職率は92.5%だった。西の御三家は、京都女子大学が63位、同志社女子大学が106位。卒業生が599人でランキング対象外の神戸女学院大学の実就職率は90.3%だった。
女子大の就職支援力の高さは、総合大学を含めたすべての女子学生の数値と比較するとよくわかる。2020年卒の女子大の平均実就職率は91.4%で、すべての女子学生の平均実就職率89.3%を上回っているのだ。
難関大の状況を見ると、旧七帝大に一橋大学、東京工業大学、神戸大学を加えた難関10大学中、最も実就職率が高いのは一橋大(35位)で次位は東京工業大(85位)となった。両大学は、日経平均株価指数の採用銘柄や会社規模、知名度、大学生からの人気度などから大学通信が選定した「有名企業400社実就職率ランキング」において、常に50%前後の実就職率でトップ2を分け合う。
一橋大と東京工業大以外は100位以下で、名古屋大学(115位)、神戸大(122位)、東北大学(133位)、大阪大学(147位)、北海道大学(149位)の順となった。実就職率83.1%の九州大学と76.3%の京都大学はランク外で、東京大学は現時点で未公表だ。
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