北米で大規模リコールのトヨタ、対応の不手際に高まる消費者の不満、集団訴訟も
トヨタ自動車は米国時間2月1日、リコール対象となっている8車種のアクセルペダルの不具合を技術的に解決する方法を米国で発表した。
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)もトヨタの改善策を承認し、今週から不具合の改修が始まる見込みだ。早朝、カリフォルニアのトヨタのディーラーを回ってみると、サービス部門には早くも列ができていた。
リコールはどの自動車会社にも起りうる(→参照)。トヨタのリコール対象車は、昨年11月が420万台、今年1月が230万台と大規模だが、なぜここまで評判を落とすほどの事態になってしまったのか。
テレビ、ラジオ、新聞とアメリカのメディアは連日トヨタのリコール問題を大々的に報じている。筆者が運転中に聞いた地元シリコンバレーのラジオ局は「トヨタは対策もないのに、ただ運転するなと言っている」という放送の直後、GM、フォード、ヒュンダイ(現代自動車)が、トヨタ車オーナーに対して新車購入に当たって1000ドル(約9万円)を割り引きし、分割払いを無利子にするというニュースを流す。こうした状況の中、米国のトヨタ車オーナーたちはどう思っているのだろうか。
「リコールのことを知っていたら、絶対にトヨタ車は買わなかったわ」というのはマリア。買い物や子供を預けるため、ハイランダーに毎日乗っているので「とても不安」という。また、両親がサンディエゴに住んでおり、レクサスの大破炎上事件を知っているので、とても心配しているとのこと。
レクサス大破炎上事件とは、昨年8月、カリフォルニア州高速警察隊員のセイラー一家と親戚の4人が乗ったレクサスが、アクセルが戻らないため数回転し、炎上、全員が死亡した事件のことだ。マリアの夫は、まず、落ち着いて、ギアをニュートラルにしなさいと教えてくれたそうだ。
同じ食料品店のあるショッピング街で、RAV4に乗る、子供2人連れのジェニファー。「私の車がリコール対象なのかよくわからないわ。今まで何の異常もないし、この車に文句はまったくないいわ。実は、とても気に入っている」。