災害級猛暑「41.1℃」歴代1位が記録されたワケ 東京の8月熱中症死者数は過去最多
東京都監察医務院によると、東京では8月1日から22日までの熱中症による死者が170人にのぼり、8月の熱中症死亡者数が過去最多になりました。これまでは、昨年2019年の115人が最多でしたが、今年は約3週間でそれを大きく上回っています。
マスク着用や外出自粛が熱中症リスクを高めている
亡くなった方の8割以上がエアコンを設置していなかったか、もしくは使用していませんでした。また、新型コロナウイルス感染症の対策のためにマスクを着用していることや外出自粛による筋力低下が熱中症のリスクを高めていることも考えられます。
「PJ(太平洋-日本)パターン」というのは、台風が発生することが多い南シナ海からフィリピン付近の海域で対流活動が活発になって積乱雲が多くできると、日本付近に太平洋高気圧が張り出すという相関関係のことをいいます。
7月は「負のPJパターン」で対流活動が不活発で台風の発生数は史上初のゼロに。また、太平洋高気圧が日本付近に張り出さなかったため、梅雨前線が長く日本付近に停滞していました。
ところが、8月に入ると一転「PJパターン」になりました。台風が次々に発生し、日本付近に太平洋高気圧が張り出したことが、急激に暑くなった原因の1つです。
850hPaの気温を見ると、日本は暖色で上空の気温が平年より高いことがわかります。特に、東日本や西日本では21℃以上で「W(=warm)」の表記もあり、かなり高くなりました。太平洋高気圧に覆われて、空気が暖められたのです。
浜松で41.1℃を観測した8月17日を含む5日間を平均した上空の状況を見てみましょう。
500hPaの8月16日から20日を平均した北半球の様子で、地図の中央下に日本があります。数字が大きいところが高度が高く、気温も高い場所です。
東北から西日本を覆っている5880メートルの等高度線が、太平洋高気圧の目安です。
そして、その内側にもう1つ円があります。これは5940メートルの等高度線で、太平洋高気圧よりもさらに上空にある「チベット高気圧」が日本付近に張り出していることを表しています。
2つの高気圧が重なっている付近は濃いオレンジ色になっていて、特に平年よりも高度が高い、すなわち気温が高くなっていることがわかります。
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