がんを生きる 佐々木常雄著
現在の医療現場では、「患者本位の医療」の名の下に、当然の権利としての知る権利、自己決定権、検証権(セカンドオピニオン)などから、患者自身が自分の治療法を選択し、病状の悪化、死が近いことが告げられる。
2000人以上の患者を看取ってきた医師である著者は、こうした現在の状況を必ずしもよしとはしない。唐突に死が直前に迫っていることを告げられたとき、人は簡単には自身の死を受け入れられないからだ。
本書は、がんでつらい状況にある人たち、あるいは短い命の宣告に絶望した人たちが、どうしたら立ち直れるのかを通して、著者が目の当たりにしてきた終末期医療の課題を論じている。
講談社現代新書 756円
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