急成長するフェイスブックの「次の一手」 開発者会議「F8」で見せた、新たなフェイスブック

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Parseはフェイスブックにとって、いい買い物だった

今回の基調講演では、「Build」「Grow」「Monetize」という3つのテーマで、担当社が壇上に上がった。その中でも最も光っていたのがBuildに相当するParseだ。前述のとおり、フェイスブックが垂直統合をするほかのプラットホームに対して対照的な側面を打ち出せるのも、このParseのおかげだといえる。

Parseについて紹介するCEOのIlya Sukhar

Parseは、ちょうど1年前、2013年4月末にフェイスブックにより買収された、モバイル開発におけるバックエンドサービスを担ってきた企業だ。アプリをクラウドでホストし、膨大な時間がかかるバックエンド処理を簡単に片付け、ユーザーに接するフロントエンドに集中できるようにする仕組みといえる。買収時には6万本だったホスト数は、26万本へと大幅に増加した。

Parseはネットワークやデータベース、キャッシュ、ユーザーセッションといった処理に加えて、プッシュ通知、ユーザー分析の機能を提供してきた。これにより開発時間を大幅に短縮できるだけでなく、クロスプラットホームへの提供の敷居も下がる。フェイスブックとしては開発者に対するサービスとして、また同社初のB2B向け有料サービスとして、かなり成功している部類に入り、現段階でも買収を評価していいだろう。

今回Parseは、より詳細なアナリティクス機能、多くのユーザーからニーズがあるオフライン時にアプリを利用し続けられるようにするローカルデータベース機能、そして複数のアプリ間で適切にコンテンツなどにリンクすることができるAPPLINKESという、3つの新機能を披露した。

信頼できるインフラと開発の最適化は、今回の基調講演のあと2つのテーマ、GrowとMonetizeへと開発者の時間を割くことができるようになる。フェイスブックがインフラを強調することと、Parseによって、一般ユーザーからすればソーシャルネットワークサービスだが、開発者が信頼を寄せる巨大エンタープライズ環境であるという側面を、より際立たせることになった。

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