カブトムシの「大きさ」あんなにも差が出る理由 成虫の大きさのカギをにぎる幼虫時の過ごし方

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それでは、どうして体の大きなカブトムシと小さなカブトムシがいるのでしょうか。そこに、幼虫の時期の意味が隠されているのです。

カブトムシの体の大きさは、幼虫のときに食べたエサの量で決まるのです。とにかく、幼虫であるうちに、たくさん食べることが大切です。エサをたくさん食べた幼虫が、大きく成長し、大きなカブトムシとなります。からだが大きいことは、成虫になって樹液をめぐって争うときなどに、圧倒的に有利です。

しっかりとした幼虫時代を過ごしたものだけが、しっかりとした成虫になることができるのです。

イモムシには食べられたくない

最初に述べたように、たしかに、幼虫は成虫になるためだけの存在です。ただし、立派な成虫になるためには、立派な幼虫時代が必要なのです。

チョウなどのイモムシは、葉っぱを食べて大きくなります。むしゃむしゃと植物の葉っぱを食べるので、植物側からすれば、大きな迷惑です。しかし、植物もやられっぱなしではありません。植物のほうも、イモムシなどの昆虫に食べられないようにさまざまな工夫をしているのです。

たとえば、多くの植物は、葉っぱの中に有毒な成分を作り出します。しかし、これは一時的には効果があっても、長期的な対策にはなりません。有毒な成分に対しては、イモムシは毒が効かないような解毒の仕組みを発達させてしまいます。そのため、植物が有毒な化学物質で身を守っても、結局イモムシは、平気でむしゃむしゃと葉っぱを食べてしまうのです。

それでは、どうすればよいのでしょうか。とっておきの方法があります。イノコヅチという植物は、イモムシが抵抗できないような方法で、身を守ることを考えました。

次ページイノコヅチの「逆転の発想」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事