元特殊部隊員が語る日本の「自衛隊員」意外な強み

小説「邦人奪還」に見えるそれぞれのお国柄

特殊部隊の食事や食べるときにでる「お国柄」など、さまざまなシーンのディテールを著書『邦人奪還』でリアルに描いた伊藤祐靖氏(写真:菅野 健児)
北朝鮮でクーデターが勃発し、アメリカがミサイル攻撃を計画。そのとき、日本は拉致被害者をどう助けるのか――。元自衛隊特殊部隊員という異色の経歴を持つ伊藤祐靖氏の『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』の持ち味は何と言ってもそのリアルさにある。今回は、元自衛隊特殊部隊員だからこそわかる、作品に描かれたシーンの裏側に日本マイクロソフトの元社長で「HONZ」代表の成毛眞氏が迫った。

豪快! 特殊部隊の飲食の場面

成毛眞(以下、成毛):前回(「元特殊部隊員が『尖閣諸島』に隠密上陸した事情」)は、尖閣に伊藤さんが上陸された際のことを細かく伺いました。私はとにかく『邦人奪還』という小説の、というよりも伊藤世界のディテールが面白くてたまらないんです。

伊藤祐靖(以下、伊藤):最初にお会いしたときから「なんでこの人はこんなことを知っているんだ?」と、こちらこそ、成毛さんの専門的な知識の広さには驚かされてばかりです。

成毛:いわゆる雑学です。本で知ったことばかりなので、本物の現場を踏んでいる人に憧れを持っています。ましてや、いまここで伊藤さんと戦ったら、3秒後には自分は死んでいると思うとゾクゾクします(笑)。

特殊部隊の第3小隊が一緒に居酒屋に行くシーンは伝わってきますね。食べ方や飲み方もよくわかるし、結婚式のシーンまで出てきて、描写が身近でグッと迫ってきました。飲食って人間性が現れますよね。まあ、皆さんよく食べるわ飲むわ(笑)。今度ご一緒してみたいです。いや、隣のテーブルで見ているだけのほうがいいかな。飲み食いのシーンはこんなでしたね。

5人が座敷のテーブルに着いて1分も経たないうちに、店員が生ビール10杯運んできた。全員がジョッキを無言のまま手にし、割れるほどに激しくぶつけ合って、一気に飲み干した。そして、空いたジョッキをテーブルにドンと置き、次のジョッキの取っ手をつかむ。今度は小さな声で『お疲れでした』と言いながらカチリとジョッキを合わせ、半分くらい飲み干してからようやく一息ついた。これが彼らの作法なのである。

成毛:……これが「作法」なわけですよね?

伊藤:はい……誇張は一切ありません(笑)。

成毛:メニューの注文もまたすごい。少し紹介をすると、最初の隊員がこう注文をするのです。

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