元特殊部隊員が語る日本の「自衛隊員」意外な強み 小説「邦人奪還」に見えるそれぞれのお国柄
豪快! 特殊部隊の飲食の場面
成毛眞(以下、成毛):前回(「元特殊部隊員が『尖閣諸島』に隠密上陸した事情」)は、尖閣に伊藤さんが上陸された際のことを細かく伺いました。私はとにかく『邦人奪還』という小説の、というよりも伊藤世界のディテールが面白くてたまらないんです。
伊藤祐靖(以下、伊藤):最初にお会いしたときから「なんでこの人はこんなことを知っているんだ?」と、こちらこそ、成毛さんの専門的な知識の広さには驚かされてばかりです。
成毛:いわゆる雑学です。本で知ったことばかりなので、本物の現場を踏んでいる人に憧れを持っています。ましてや、いまここで伊藤さんと戦ったら、3秒後には自分は死んでいると思うとゾクゾクします(笑)。
特殊部隊の第3小隊が一緒に居酒屋に行くシーンは伝わってきますね。食べ方や飲み方もよくわかるし、結婚式のシーンまで出てきて、描写が身近でグッと迫ってきました。飲食って人間性が現れますよね。まあ、皆さんよく食べるわ飲むわ(笑)。今度ご一緒してみたいです。いや、隣のテーブルで見ているだけのほうがいいかな。飲み食いのシーンはこんなでしたね。
成毛:……これが「作法」なわけですよね?
伊藤:はい……誇張は一切ありません(笑)。
成毛:メニューの注文もまたすごい。少し紹介をすると、最初の隊員がこう注文をするのです。