すぐ疲れてしまう人ほど「息の仕方が下手」な訳 数日で呼吸を改善する「トレーニング」も紹介
ヒトは、死ぬまでに約6億回の呼吸を行うと言われています。この世に生まれ、産声を上げた瞬間から呼吸は始まり、1日に2万回以上の呼吸が行われ続けます。私たちは、無意識ながらも途方もない数の運動を毎日続けているのです。
呼吸はすべての活動の基礎であり、生命を維持するためになによりも優先される運動です。例えば、食べ物がない状況下でのヒトの生存時間は10日から3週間ほど、水がない状態では72時間と言われていますが、呼吸停止の状態が10分続くと、死亡率は50%程度に達します。息が4〜6分の間止まっていると、低酸素によって意識を失い、やがては心臓も止まってしまうからです。
こうした呼吸の重要性に関して、運動指導者なら誰しも知っている有名な言葉があります。
「呼吸が適正化されなければ、動作を適正化することはできない」
動作を適正にできない(=変えられない)ということは、体はよい方向に向かわないということ。その言葉のとおり、健康への道は呼吸から始まるのです。しかし、現代社会に生きる多くの人々は、この呼吸に問題を抱えているのです。
現代人は酸素を「吸いすぎ」ている
「マインドフルネス」や「瞑想」など、昨今ではメディアでも呼吸法が注目され、関連書籍も飛ぶように売れています。私も呼吸の専門家としてクライアントに呼吸法を指導し、私自身も欠かさず実践しています。
理想の呼吸回数は1分間で10回以下、1回の呼吸での換気量は450〜500ml。少し息を止めるとすぐに苦しくなるという方は、体が「酸欠」気味になっていると言えます。実際に「呼吸が浅くて酸欠気味だから、深く息を吸う方法を知りたい」とおっしゃるクライアントもたくさんいらっしゃいます。しかし、実際には「酸素の吸いすぎが酸欠状態を招いている」のです。
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