すぐ疲れてしまう人ほど「息の仕方が下手」な訳

数日で呼吸を改善する「トレーニング」も紹介

あなたの体調不良の原因は「呼吸」にあるかもしれない。もし呼吸の仕方がいい加減だと、1日に2万回以上「体に悪い運動」を行っていることになる(写真:kouta/PIXTA)
「体に不調を感じる人の多くは、酸素を吸いすぎている」と語るのは数多くの企業で腰痛などの不調改善のレッスンを行ってきたパーソナルトレーナーの鈴木孝佳氏。彼が警鐘を鳴らす「酸素を吸いすぎることのデメリット」とは? 数日で呼吸の仕方を改善する「クロコダイル・ブリージング」と併せて紹介。『疲れない体を脳からつくる ボディハック』より一部抜粋・再構成してお届けする。

ヒトは、死ぬまでに約6億回の呼吸を行うと言われています。この世に生まれ、産声を上げた瞬間から呼吸は始まり、1日に2万回以上の呼吸が行われ続けます。私たちは、無意識ながらも途方もない数の運動を毎日続けているのです。

呼吸はすべての活動の基礎であり、生命を維持するためになによりも優先される運動です。例えば、食べ物がない状況下でのヒトの生存時間は10日から3週間ほど、水がない状態では72時間と言われていますが、呼吸停止の状態が10分続くと、死亡率は50%程度に達します。息が4〜6分の間止まっていると、低酸素によって意識を失い、やがては心臓も止まってしまうからです。

こうした呼吸の重要性に関して、運動指導者なら誰しも知っている有名な言葉があります。

「呼吸が適正化されなければ、動作を適正化することはできない」

動作を適正にできない(=変えられない)ということは、体はよい方向に向かわないということ。その言葉のとおり、健康への道は呼吸から始まるのです。しかし、現代社会に生きる多くの人々は、この呼吸に問題を抱えているのです。

現代人は酸素を「吸いすぎ」ている

「マインドフルネス」や「瞑想」など、昨今ではメディアでも呼吸法が注目され、関連書籍も飛ぶように売れています。私も呼吸の専門家としてクライアントに呼吸法を指導し、私自身も欠かさず実践しています。

理想の呼吸回数は1分間で10回以下、1回の呼吸での換気量は450〜500ml。少し息を止めるとすぐに苦しくなるという方は、体が「酸欠」気味になっていると言えます。実際に「呼吸が浅くて酸欠気味だから、深く息を吸う方法を知りたい」とおっしゃるクライアントもたくさんいらっしゃいます。しかし、実際には「酸素の吸いすぎが酸欠状態を招いている」のです。

次ページなぜ呼吸をしても「酸欠」になるのか?
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