すぐ疲れてしまう人ほど「息の仕方が下手」な訳 数日で呼吸を改善する「トレーニング」も紹介

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ここで、「浅く速い呼吸によって息を吸いすぎていないか」を確かめる、簡単な息止めテストをご紹介します。

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これは、苦しまずに息を止めていられる時間を計り、「二酸化炭素が溜まっていくことに体が慣れているか」をチェックするものです。

このテストは、息を我慢するのではなく「息が吸いたくなるまでの時間」を知ることを念頭に行ってください。計測中に首やお腹に力が入る、息が苦しいと感じる、あるいは計測後に思わず息を吸ってしまう場合は、息を吸いたくなる時間が過ぎているサイン。

はじめはどうしても苦しくなるまでやってしまうので、3回テストを行ってその平均で評価しましょう。

<手順>
①ストップウォッチを用意して姿勢を正して楽に座る
②呼吸を落ち着かせたら鼻から少し息を吸う
③小さく溜息をつくように鼻から息を少し吐き出す
④素早く鼻をつまみ、息を止めたらストップウォッチをスタート
⑤息を吸いたくなるまでの時間を計測する
⑥これを3回行い、タイムの平均を出す
<判定>
○ 30秒以上:よい状態。まだ伸び代あり
△ 20〜29秒:呼吸に改善の必要あり
× 19秒以下:呼吸に大いに問題あり

理想は40秒です。10秒未満の方はアレルギーや鼻づまり、冷え性などのトラブルがあることも考えられます。テスト結果が悪い方は普段から酸欠気味で、無意識のうちに息を吸おうと頑張っているため、呼吸の改善が必要になります。

呼吸を改善する「クロコダイル・ブリージング」

息止めテストで△、×だった方向けに、呼吸を改善する簡単なトレーニングをご紹介します。これは、文字どおりうつ伏せになってワニのような姿勢で呼吸をするトレーニングです。不適正な呼吸のクセが矯正され、交感神経への刺激を減らすことができます。すると、リラックスできて呼吸も自然とうまくいくようになります。

おすすめのタイミングは夜、寝る前です。肩、背中、腰に無駄な力が入らないよう力を抜いて行ってください。

<手順>
①重ねた両手に額を乗せるようにしてうつ伏せになる
②口から5秒間ゆっくりと息を吐く
③5秒間、息を止める
④鼻から5秒間、背中から腰に空気を送り込むイメージでゆっくりと息を吸う
⑤これを5回行う
<チェックポイント>
□ 息を吐くときに腹筋を感じる
□ 息を吸うときに背中の広がりを感じる
□ 息を吸うときに、音を出さずにゆっくりと吸える

これを数日間続けた後で、もう一度息止めテストを行ってみてください。きっと改善が見られるかと思います。

いまこの瞬間も何気なく行っている呼吸ですが、これが不適正だと、1日に2万回以上「体に悪い運動」を行っていることになります。「健康への道は呼吸から」を思い出して、ぜひ呼吸にも気をつかってみてください。

鈴木 孝佳 姿勢・不調改善専門家

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すずき たかよし / Takayoshi Suzuki

1986年生まれ。姿勢&不調改善の専門家。スポーツトレーナー養成の専門学校を卒業後、地域振興事業として地域の健康増進に携わる。その後、治療院でスポーツ障害や慢性疼痛疾患の治療を学ぶ。2010年にフリーランスのパーソナルトレーナーとして独立。「変形性膝関節症」「腰痛」などの不調改善を中心に年間1500件のレッスンを行う。2019年に会員制ジム ビーストイック のヘッドトレーナー兼CTOに就任。脳神経学、機能解剖学、運動生理学、栄養学に基づいた身体改善の提案を行っている。「背中を丸めるストレッチ」はTwitterで48万件のいいね、10万リツイート、600万回動画再生され話題を集めている。

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