DEAN&DELUCAのエコバッグがバカ売れのワケ 休業明け、売り上げは一気にプラスに転じた

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そこへ、7月からの包材有料化を受けたエコバッグブームが到来。店頭のDEAN & DELUCAのトートバッグ(エコバッグ)も飛ぶように売れた。
「われわれも予想しており、かなりの在庫を積んではいたのですが、予想を大きく上回り、7月1カ月間の販売数はスタンダードタイプのものだけで通常の200%ぐらいになっています。そのためか、コロナ期間の休業明け、売り上げは一気に前年同月比プラスになりました」(横川氏)

【2020年8月19日17時00分追記】初出時、トートバッグの販売数や売り上げに占める割合などの数値に誤りがありましたので修正しました。

客の失望を招く事態にもなった限定エコバッグ

最初がリーマンショック、そして今回のコロナ。二度にわたって救ってくれたトートバッグを、同社では“神風”が吹いたようなものと表現しているそうだ。

なぜエコバッグはこれほど売れるのか。

エコバッグは1つあればよいというものでなく、車の中に置いたり、持ち歩くバッグにそれぞれ入れておくため、3〜4つは持ちたいものらしい。同社でも、入荷を待っていた客がすぐに購入するため、入荷しても入荷しても品切れになってしまい、まるで一時期のトイレットペーパーのようだったという。

また7月8日に発売されたオンラインショップ限定の商品「ショッピングバッグ クリア」(税込2530円)も、発売と同時にアクセスが集中しシステムがダウン。復旧した頃には品切れとなっている一方でフリーマーケットアプリのメルカリに出品されるなど、一部の客の失望を招いた。同社としては購入個数を制限をするなど、転売対策は講じていたものの、限界があったようだ。

同商品は現在、再販売に向けて調整中とのこと。8月1日に発売したこれもオンラインショップ限定の「マーケットトートバッグ」(Lサイズ4400円、Sサイズ3300円)も、瞬く間に完売したようだ。

オンラインで即日完売した「マーケットトートバッグ」Lサイズ4400円、Sサイズ3300円(編集部撮影)

このようにエコバッグが救った一面もあるが、同社がコロナ下にあっても勢いを取り戻すことができた理由は、同社の多角的な事業運営にあると考えられる。DEAN & DELUCAひとつとっても、ショップとカフェを合わせて実店舗が全国に50以上。オフィス街、駅ビルといった都会型のショップのほか、郊外住宅地にも展開している。

扱う商品も、おそうざいやベーカリー、調味料といった食品から、食卓まわりの小物、日用雑貨まで幅広い。

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