DEAN&DELUCAのエコバッグがバカ売れのワケ 休業明け、売り上げは一気にプラスに転じた

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「コロナ前と今では売れ方や需要にも変化がありました。前は都市部の店舗の売り上げが高かったが、現在は郊外路面店の売り上げが上がってきています。また売れる商品も、オンラインでの実績も含め、ギフト向けから調味料などのよりエッセンシャルなものへと推移してきています」(横川氏)

変化に対応しやすい事業形態

当然、オンラインショップも好調だ。オンラインの売り上げはコロナ前に比較し、3〜4倍に。同社では目下、オンラインのさらなる強化をはかっており、従来の常温品に加えて冷蔵品を扱い始めたほか、ベーカリーなど、チルド品も開発中とのことだ。

  • 横川正紀(よこかわ・まさき)/ウェルカムグループ代表。1972年東京生まれ。父は「すかいらーく」創業者の1人、横川紀夫氏。建築学科卒業後インテリアの道に進み、2000年にウェルカム前身であるジョージズファニチュアを設立。DEAN & DELUCAを含め食にまつわる事業で食べることが多くなる横川氏。趣味のトライアスロンはスリムな体型の維持と、頭のリフレッシュ双方に役立っているという(撮影:尾形文繁)

加えて、ウェルカムはレストランや居酒屋など食にまつわるブランドをDEAN & DELUCAのほかに5業態、「CIBONE」や「TODAY’S SPECIAL」などライフスタイルブランドを7業態展開している。これらのブランドが同グループによって経営されていることは、一般にはあまり知られていない事実だ。ほか、住空間や商業施設、ホテルなどのインテリアデザイン提案も事業として展開する。プロデュースしたホテル「sequence MIYASHITA PARK」が8月1日に開業したばかりだ。

「当社のようにマルチポートフォリオで事業を展開していると、すべてが上向きになるということはありませんが、その分どこかが引っ込めば、どこかがよくなる。変化に対応しやすいということです。今はコロナで生活への価値観が変わった。時短から、急がない生き方が幸せなのではと。そして食や、自分の家にお金をかけるようになる。オンライン会議に合わせて、部屋をちゃんとしたいなとか(笑)。おかげで、今はデザイン事業部が好調です」(横川氏)

『食卓の経営塾 DEAN & DELUCA 心に響くビジネスの育て方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

現在、伸びているのは、スーパーなどの小売りや食品メーカー、ホームセンターなど、衣食住のうち“食”“住”にまつわる事業。

双方をカバーする同社が、コロナの痛手から早く立ち直れたのも不思議なことではない。ただ、同社の品は決して求めやすいというものではない。不便な生活の中でも、よりこだわった食材や身の回りの品によって少しでも豊かさを感じようという方向に、人々の意識が変わってきていることが感じられる。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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