マレーシアを侮る日本人が驚くコロナ後の日常 意外にハイテク先進国の新常態はこんなに凄い

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●コロナ後に献血イベントが盛況 イスラム国家の寄付精神

一方、コロナ禍で人々の外出が制限されたため、不足が深刻化しているのが医療用輸血のための「血液不足」だ。寄付精神が旺盛なイスラム教の国家にあって、献血行為は市民生活になじんでおり、献血会場には長蛇の列ができることも少なくない。

しかし、厳しい外出制限令が敷かれたため病院や買い出し以外での目的で出かけることが禁じられ、その影響は献血にも及んだ。そのため、外出禁止令が緩和されて真っ先に行われたのが、各地の大型ショッピングモールのスペース中心部を大々的に貸し切った形での「献血イベント」だ。煌びやかなジュエリーがショーケースに陳列された宝飾店や海外ブランドの店などが立ち並ぶ高級ショッピングモール内に突如、白いカーテンで雑多に仕切られた空間が登場。イスラムのヒジャブをまとった看護師たちが忙しそうに動き回り、ソーシャルディスタンスを保って並べられたいすに横たわったマレーシア市民らが続々と献血を行っていた。

「人々の結束はオンライン上でより高まった」

献血会場でボランティアをしていた、看護婦の卵であるという地元の女子大学生は、困難な状況だからこそオンライン上で拡散され始めた人々の連帯感に、微かな希望を見いだしていた。

マレーシアの首都クアラルンプールの大型ショッピングモールで行われていた献血。ロックダウンで血液不足が深刻化するなか、多くの人が献血会場に列を作った(筆者撮影)

「血液不足を本当に心配していましたが、ロックダウンが緩和されてから、たくさんの人が行列を作って献血に協力してくれています。コロナ禍で人々の結束は、直接会うことができずともオンライン上でより高まった感じがします。SNSなどでは、献血のみならず寄付や助け合いなどを呼びかける人々の連帯感も増したことを日々実感しますし、コロナを機にポジティブな変化があることは確かです」

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急速に進みつつある、イスラム教国家のコロナ後における「ニューノーマル」。それに伴い、東南アジア各国では政府主導でデジタル化が加速している。既存の概念を軽々と覆して、柔軟に変容を遂げてゆくその生活様式には、第2波が懸念される日本も参考にできるヒントが隠されているかもしれない。

海野 麻実 記者、映像ディレクター

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うんの あさみ / Asami Unno

東京都出身。2003年慶應義塾大学卒、国際ジャーナリズム専攻。”ニュースの国際流通の規定要因分析”等を手掛ける。卒業後、民放テレビ局入社。報道局社会部記者を経たのち、報道情報番組などでディレクターを務める。福島第一原発作業員を長期取材した、FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『1F作業員~福島第一原発を追った900日』を制作。退社後は、東洋経済オンラインやYahoo!Japan、Forbesなどの他、NHK Worldなど複数の媒体で、執筆、動画制作を行う。取材テーマは、主に国際情勢を中心に、難民・移民政策、テロ対策、民族・宗教問題、エネルギー関連など。現在は東南アジアを拠点に海外でルポ取材を続け、撮影、編集まで手掛ける。取材や旅行で訪れた国はヨーロッパ、中東、アフリカ、南米など約40カ国。

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