「僕は離婚直後で精神的ダメージが大きかったし、彼女も仕事のストレスでうつ病を患っていました。商談中に突然泣き出してパニックになり、それからしばらく仕事を辞めて家に引きこもっていたみたいで……。
彼女と再会したときは別人かと思うほどガリガリに痩せていて、顔色は青白く、ボソボソ話す口調はすっかり覇気がなくてビックリ。それでもリハビリを兼ねてやっと外に出られるようになってきて、僕に会った時は徐々に社会復帰できるようになったタイミングだったと聞きました」
会わない間に大きな挫折を経験した2人。今までは若さや勢いもあって夢ばかり追いかけていたが、ここにきてやっと本音で向き合って理解し合えた気がしたという。2人の交際が本格的に始まった。
交際が順調に進み、お互いに精神的にも落ち着きを取り戻してくると、小野寺さんは以前から興味があったワインを楽しむようになった。
「もともと夢中になりやすい性格で、はじめはワインセミナーやスクールに参加する程度でしたが、自分でもイベントを企画するようになりました。そのうち軽い気持ちでブログを始めてみたら、運よく出版社の目に留まってWEBサイトのコラムを書かせてもらえるようになり、次第に本の出版の話が来たりと、自分でも正直驚いています」
華々しい活躍…!しかし、そんな小野寺さんの活躍を、翔子さんは素直に喜べなかったそうだ。
彼氏をライバル視する彼女
「僕の世界が広がれば広がるほど、彼女が嫉妬してくるんですよ。本を出版したときも「おめでとう…」と低いトーンで言われ、お祝いどころか悲壮感さえ感じたし、本人も素直に喜べなくて申し訳ないと認めている始末。どうしてパートナーである僕をそんなにライバル視してくるんだろうって思っちゃいました」
一番身近にいるはずのパートナーが、自分の活躍を快く思っていないとは少し切ない。しかし、身近な人に嫉妬してしまった経験がある人は少なくないだろう。それでも、ネガティブな感情は心の内にそっとしまって、まずは笑顔で祝福して欲しいと思うのは求めすぎだろうか。
嫉妬は人間関係にも及ぶ。
「僕はもともと男女の友情は存在すると思うタイプ。彼女がいても女友達とご飯に行くし、そこになんのやましい気持ちも生まれません。それに男性より女性の方が話が合うんですよ。多くの男性は、野球か年収、人脈自慢の話ばかりでつまらない。しまいには謎のマウンティングをしてくるし。女性はもっとメンタル的な話も多いし、僕は心理学や情緒的な話題が好きなので一緒にいて楽なんですよ。
ただ、彼女は男女の友情はあり得ないと思うタイプなので相反する。僕のSNSの投稿を見ては、女友達のコメントがあるだけでストレスを感じるようで、しまいには僕の投稿を見えない設定にしていました(笑)」
なぜ、翔子さんはそこまで気分を損ねてしまうのだろうか。
「彼女が小学校に上がるときに両親が離婚しています。母親が彼女を引き取りましたが、父親は離婚直後から音信不通だそうです。一人っ子だし、寂しい思いもしたでしょうね。年齢こそ僕と同じですが、どこか僕に父性を求めるというか、埋められない寂しさや孤独、イライラを僕で補おうとしていた気がします。また、彼女は基本的に自分のルールに合わせて欲しいと思う人で、そこから外れるとすごく怒るんですよ」
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