キヤノン、初の赤字が迫る御手洗氏「次の一手」

屋台骨支えるデジカメとオフィスが不振に

優良企業の代名詞だったキヤノンがついに赤字を計上した(撮影:尾形文繁)

優良企業の代名詞だったキヤノンが苦境に陥っている。

7月28日に発表した2020年4〜6月期の連結最終損益は88億円の赤字に転落。新型コロナウイルスの影響で主力のオフィス機器・デジタルカメラは大きな打撃を受け、四半期ベースで初めての赤字に沈んだ。

2020年12月期通期でも、売上高は前期比14.3%減の3兆800億円、営業利益は同74.2%減の450億円に落ち込む見通しだ。今後の業績回復は容易ではない。

配当予想は「未定」としたが、6月末の中間配当は前期比半減の40円減にすると発表。高配当銘柄として知られるキヤノンが実に1987年以来の33年ぶりの減配に踏み込んだ。

広がる「キヤノンショック」

翌29日はキヤノン株が大きく売られ、終値は前日比13%安の1797.5円と大幅安となった。御手洗冨士夫会長兼CEOはかねて投資家向け説明会などで「減配はしない」と強調しており、市場関係者の間で「キヤノンショック」が広がっている。

【2020年8月14日14時40分追記】初出時の御手洗氏の肩書きを修正いたします。

「複合機とデジカメはこの数年、想定以上に売り上げが減少した。しかし、コロナでさらに落ち込んだ」。キヤノンのある幹部はそう言って肩を落とす。

デジカメメーカーとして知られるキヤノンだが、主力事業は売り上げの4割強を占めるプリンターや複合機などのオフィス事業だ。

もともとペーパーレス化の流れがあった中で、新型コロナウイルスの感染が拡大。在宅勤務の拡大に伴ってオフィスでの印刷需要が激減し、利益率の高い消耗品の販売も減少した。2020年4~6月期のオフィス事業の売上高は、前年同期比3割減の3075億円、営業損益は9億円の赤字(前年同期は404億円の黒字)に転落した。

次ページ新しいビジネスモデルへの転換を図る
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • 今見るべきネット配信番組
  • 「お金で損しない」森永康平のマネーリテラシー講座
トレンドライブラリーAD
人気の動画
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
アメリカの若者の心つかむ中国アパレル「SHIEN」の正体
アメリカの若者の心つかむ中国アパレル「SHIEN」の正体
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT