新型コロナ感染への不安に負けない心のコツ 精神科・産業医が勧めるコロナとの付き合い方

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また、高橋泰・国際医療福祉大学大学院教授(公衆衛生学)も東洋経済オンラインのインタビューにて「日本国民の少なくとも3割程度がすでに新型コロナの暴露を経験したとみられる」「新型コロナウイルスは、初期から中盤までは、暴露力(体内に入り込む力)は強いが、伝染力と毒性は弱く、かかっても多くの場合は無症状か風邪の症状程度で終わるおとなしいウイルスである」と解説されています(『新型コロナ・日本で重症化率・死亡率が低いワケ』7月17日公開)。

「第2類感染症の指定から外すべき」との提言も

また7月30日に首相官邸で開かれた未来投資会議では、大木隆生・東京慈恵会医科大学教授(外科統括責任者・対コロナ院長特別補佐)から、新型コロナウイルスと共生するという考え方で画期的な提言が出ています。

この提言では、「これまで実施された一般を対象とした抗体検査(0.1~8%)、PCR 検査(1~3%)から日本にはすでに数百万人単位の感染者がいたことになるが、それこそ多数の無症候性患者がいる事の証明である。したがって死亡率は季節性インフルエンザと同程度の 0.02~0.04%前後」「7 月に入って全国的に感染者数が増えたが、それは PCR 検査実施数が増えたので PCR 陽性者も増えた事が主因であり、死亡者増、医療崩壊など実害は出ていない」と明確に述べられています。

また今後の具体的対策案も多数提案されています。

「高齢者施設や病院での院内感染による死者数が全体の 20~40%を占めているのでこれら弱者を守ることで死亡率をさらに下げることができる。そこで公費負担で入院する患者と共に、施設・病院従事者に対して毎週1回程度の PCR を実施すべき」「新型コロナは第2類感染症に指定されているので PCR 陽性と判定されたら隔離等が必要となり、これが保健所も医療も無駄に圧迫している」「結論として、新コロナは日本人にとって怖くない。国民にそれを啓蒙し、実害のない『新規陽性者数』に一喜一憂せず、経済的に新コロナ対応病院を援助し、第2類感染症指定をはずすことで医療崩壊は防げる」

このような次々と発表される新たな知見に触れれば、「コロナ感染が拡大してきた、自分や家族が感染すれば死ぬかも!」と盲目的に恐怖に支配されることもなくなりますよね。

まずは陽性者数のみを強調して恐怖をあおるテレビ報道に踊らされずに、現在次々と解析され判明してきている新型コロナウイルスに関する正しいデータと知見、冷静な専門家の意見にも積極的に触れてみると、メンタルを平静に保ちながら日々を過ごすことができます。

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