人口減少の日本には「所得倍増計画」が不可欠だ 単発の政策ではなく「パッケージ」で対応せよ

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つまり、日本経済の最大の問題は労働生産性の低さなのです。1991年の日本の労働生産性は世界25位と、当時から決して高い順位だったわけではありませんが、2019年には34位とさらに順位を下げています。

低い労働生産性は今までも存在していた日本経済の構造的な問題だったのですが、これまであまり問題視されず見逃されてきました。しかし、ここまで低下してしまった以上、もう放置するわけにはいきません。メスを入れないわけにはいかないのです。

すべての問題の根本原因は「企業規模」が小さいこと

では、経済政策として何が必要でしょうか。一般的に、経済政策として規制緩和、最先端技術の普及、女性活躍などが挙げられます。確かに、これらの政策もムダではないかもしれません。

しかし私は、日本で技術の普及や女性活躍などが進まないのは、日本が抱える問題の根本原因ではなく、もっと根本的な構造問題の「結果」として生じている現象だと考えています。

その根本的な構造問題とは、「日本の企業の規模が小さすぎること」です。この問題の根本原因にメスを入れずに、結果に対する対策を打っても、効果は期待できません。

要するに、日本で最先端技術の普及が遅れている原因は、お金がないとか、人材がいないといった理由ではなく、その技術を活用できるほど企業規模が大きくないからなのです。そういった企業にどんなアドバイスをしても、最先端技術を導入するための補助金を出しても、ムダに終わるのは自明です。

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