自分の人生を生きていない「日本人」の行く末 コロナでより主体性が必要とされてきている

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東松:以前は、金曜日は絶対定時で終わらせて、海外行って、そして月曜日の早朝に帰ってきて会社に行く、というふうに切り替えをしていたことでモチベーションを高めることができていたんですね。

――そういう中で、オンとオフはどうやって切り替えているのですか。

東松:明確に仕事する時間とそうでないという時間を分けるようにしました。着る服も含めて、家という空間の中で、いかに切り分けるか、というのをとにかく考えました。まず朝ちゃんとシャワーを浴びて着替える、とか、仕事が終わってからは極力仕事のメールは見ないようにする、とか。

普段通勤しているときは1日1万歩くらい歩いていたので、30分とか1時間とか外を歩いたほうが健康的にもいいなと思って、仕事が終わったら一回外出て歩く、とか、ランチタイムに歩く、とか日常がダラダラ続かないよう気をつけていました。

オフィスはある意味「神聖な場所」になる

――リモートだと以前のようにはコミュニケーションが取れません。

岡本: 以前は社員の現場感はオフィスに行けばわかりましたが、オンラインではそういうわけにもいきません。なので、当初は、各チームが開催している朝会にふっと参加したりしていました。今は社員が週1、2回出社しているので、コミュニケーションをとりたいと思って週4回は出社しています。

(撮影:尾形 文繁)

今まではデスクに座っていてもわざわざ話しかけに行くことはしませんでしたが、今はいる人になるべく話しかける、という気遣いをするように変わりましたし、今まで以上にせっかくのリアルの場で何を話そうかな、と考えるようになりました。

東松:僕もリアルで会えるときにちゃんとコミュニケーションをとる、というのはすごく大事だなぁと思っています。受け身ではなく、あえて自分からちゃんと取るようにしています。

岡本:仕事というのは「何気ないやりとり」の中で「あれ、それもしかして」っていうのが決め手になる、とか、そういう場面を何度も見てきたので、それがなくなるというのは会社として本当にもったいないなぁ、と。オンラインを使いながらどうやってそれを生み出していくのか、これから検証することになると思います。

東松:このコロナで例えば満員電車もそうだと思うのですが、誰もが「無駄だ」と思っても言えなかったことが言えるようになってきている。大企業でリモートをするなんて考えられませんでしたし。今は日本の働き方のいい面、悪い面があぶり出されて、いい方向へ変わってくるのではないかと思います。

岡本:ただし完全にリモートにシフトすることもないですよね。会社の拠点が東京にある必要はありませんが、どこかで集まるタイミングがないとうまく回らないと思います。信頼関係を作るとか、顔を合わせないとできないことは引き続きあると思うので、オフィスはそういう信頼関係や文化を作る象徴的な場所になるのではないでしょうか。

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