自分の人生を生きていない「日本人」の行く末 コロナでより主体性が必要とされてきている
岡本:もっとも今はリモートと言っても、在宅勤務が大多数で、本当のリモートではないですよね。ここから次のシフトが起こるとしたら、会社は東京にあるけれど、それ以外の場所で働く、みたいな動きでしょうか。日本中を旅しながら、東京で仕事をする、ってことはあるかもしれないですよね。
東松:それは最高ですね!
岡本:この間オンラインイベントで登壇したのですが、登壇者の1人が沖縄の離島から入っていて、「今こんな感じ」って海を見せられたんですよ。「この後、これ終わったら海に潜るんだよね」なんて。先ほど出たオンとオフの切り替えの話でいうと、その人は細切れでオンとオフを切り替えるタイプなんですよね。
これまでは、長いオンと長いオフがあるという感じでしたが、これからは自分のライフスタイルに合わせてオンとオフを細切れに使う、といったこともできるようになるのではないでしょうか。これによって、1人1人のライフスタイルにあった働き方というのが本当に選択できるようになると感じます。これは本当にすごい変化ですよ。
「主体性のある人とない人」で分断が起きる
東松:特に大企業で働いていた人はこれまで「この時間は働いてください」と言われて、その間言われたことをやっていればよかった。その大前提が崩れたことによって、自分で主体性を持って仕事をしていかないといけないとなると、主体性のある人とない人で分断ができるのではないかと思います。
岡本:その変化はちょっと前から起きていましたよね。いわゆる「昭和の働き方」というのは、ワークスタイルとか職場が決まっていて、その中で実現可能な人生観とかライフスタイルを選ぶ形だった。それが逆転して、今は先にライフスタイルを決めて、その中で実現可能な仕事を選ぶ、といった価値観の方が幸せな人生を送れる、そういう社会になってきていると思います。
だから、「自分の軸を持っていない人」とか「自分の送りたい人生を持っていない人」にとってみると、生き辛い世の中になってきたな、と。
その変化に気がついて、一歩踏み込んで本当に自分が送りたい人生を選択しよう、という人が増えてきたら、それで日本全体の幸せの総数っていうのは確実に上がるのではないかと思います。
東松:リーマントラベラーを始めるきっかけもまさにそれでした。人生にいろんな選択肢があることを知らないままサラリーマンになって年功序列の生き方でいいや、と思っていたのが、世界中でいろいろな生き方をしている人を見て、「こういう選択をしてもいいんだな」ということに気がついて、一歩踏み出したわけです。
その時意識したのが、自分はどういう人間か、つまり、どんな強みや弱みがあるか、ということ。自分はこういう人間だから、こういうことをやっていこう、と決めて活動をしてきました。