学校英語は「イタい間違い」だらけ

イェール大学流、最強の英語勉強法(4)

「ぬるい」英語業界には、チャンスが眠る

斉藤:あとは英語の先生方の世代による意識の差というのもあって、若い世代には第2言語教授法とか応用言語学の知識を携えて、あるいは自ら留学して英語の教授法の修士号をアメリカで取って、それで採用される先生が増えているのですけれども、旧世代の、英文学しか知らない先生方はやっぱりきついですよね。そういった人たちは、今さら定年間近になって教え方を変えてくれと言われても、なかなか対応できないわけなのです。

入山:大学で言うと、東北に国際教養大学ができたのもそういう流れでしょうね。地方で学生を呼び込むにはああいうことをしないといけない。

斉藤:国際教養大は設立当初から実践的な英語教育の手法を取り入れていますよね。それはあると思います。

入山:そうやって考えてみると、まず変わっていくのは地方かもしれませんね。そして、新しい教育を模索してもがいている中で、ちゃんと市場メカニズムにさらされている斉藤さんの塾みたいなセクターから、改革が広がっていく。

斉藤:市場といっても、これまでは英語教育機関があまりにも学術的な知見に対して無頓着すぎたと思います。それでも十分に儲かる経営がやっていけた。英語教育業界自体が「ぬるま湯」の構造にあったわけで、競争が激しいようで実は全然、激しくなかったですよね。 それが実情だというのは、ある程度知っていたからこそ、起業にチャンスがあると思って挑戦したというところもあるのです。

中学3年間の英文法は、実は半年あればいい

入山:すごい。そういう意味でいうと、斉藤さんがこの本を書いたのは、矛盾しているなとも思ったんですよ。だって、とっておきの方法が同業他社にわかってしまうじゃないですか。

斉藤:僕は模倣されること自体、歓迎したいと思いますよ。どんどんマネしていただきたいですね。

入山:やはり斉藤さんは、ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)としての側面をお持ちなのですね。自分が儲けるより、何か社会にインパクトを与えたいという経営者だと思います。

斉藤:第2言語教授法だとか応用言語学の研究の知見として、「こうすればいい」ということは、実はもう20世紀の段階である程度わかっていたはずなのに、それがいつまで経ってもマーケットに出てこないのがおかしいと思っているのですよ。たとえば大学受験のところだけを切り出しても、セオリーにのっとった学び方をやれば、実際の学習時間は3分の1ぐらいに削減できます。

実際、うちの塾で英語を勉強し始めた中学校1年生や小学生が、1年間で英検準2級をほぼ満点で合格したりしています。これまで4年かけて教えていたプロセスを、1年とか半年に圧縮しても、やり方次第ではまったく問題ないわけです。

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