福島県の情報漏洩疑惑、「お手盛り調査」の実態

疑い持たれた部署が調査や文案作成を担当

高濃度の廃棄物が保管されているJヴィレッジ(福島県楢葉町および広野町)(写真:北海道新聞社/時事通信フォト)

東洋経済オンラインは6月25日に「Jヴィレッジ除染めぐる東電と福島県の隠し事」と題した記事を配信した。その中で、サッカーナショナルトレーニング施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町および広野町)の原状回復工事に関して、福島県に情報公開請求をしたフリージャーナリスト・おしどりマコ氏の氏名を、東京電力が社内文書に記録していた事実について報じた。

この問題に関して福島県は、情報公開請求者の氏名を第三者である東電に伝えていた事実は確認されなかったとする回答文書をまとめ、おしどり氏宛てに送付。福島県知事名の文書がおしどり氏の代理人弁護士に7月17日付で届いた。

東洋経済が入手した東電の社内記録(5月13日付、原子力・立地本部広報グループ)には、福島県職員からの情報提供の内容が次のように記されていた。

「Jヴィレッジの原状回復工事に関して、東洋経済岡田記者が福島県に問い合わせを入れたとのこと。岡田氏は事実関係の確認に加えて、福島県に当社の公表を止めているのではないかといった質問を当ててきたようで、福島県としても、早期の公表に向けて県庁内で調整を行いたいとの話が〈当社の〉立地地域部にあった」(編集部注:〈 〉は説明のために加筆、以下同)

県の個人情報提供を物語る東電社内記録

東洋経済はこの社内記録が作成された直前に、福島県エネルギー課にJヴィレッジの原状回復工事で発生した廃棄物の保管状況について電話で問い合わせていた。上記の内容は、その直後にエネルギー課から東電に取材内容に関する情報提供があった事実を物語っている。同じ日の東電の社内記録には、次のような記述もあった。

「本日〈5月13日〉夕方、福島県の担当課長と話し合いを行うことになっているが、福島県としては、おしどり〈マコ〉氏から5月14日期限で情報公開請求を受けており、5月14日に公表の調整となる見通し」

おしどり氏は、原発事故が発生して以降、2018年6月まで東電が事故収束作業の拠点として使用していたJヴィレッジの原状回復工事に際して発生した汚染土壌の処分や放射性物質を含んだ廃棄物の管理の実態について取材を続けていた。

東電の社内記録の日付から、Jヴィレッジを所管する福島県エネルギー課が当時、東電との間で2~3日に1度の頻度で情報のやりとりを続けていたこともわかった。

次ページ県は個人情報提供を認めたのか
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • 今見るべきネット配信番組
  • 「お金で損しない」森永康平のマネーリテラシー講座
トレンドライブラリーAD
人気の動画
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
アメリカの若者の心つかむ中国アパレル「SHIEN」の正体
アメリカの若者の心つかむ中国アパレル「SHIEN」の正体
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT